キングコブラと格闘した男性に寄付金殺到、容体回復も依然重症 [社会]

　キングコブラ(Ophiophagus hannah：コブラ科に分類されるヘビ)に噛まれて腕に巻き付かれた状態でホーチミン市チョーライ病院に救急搬送されたP・V・Tさん(男性・36歳、東南部地方タイニン省在住)に、寄付金が殺到している。

　危険を顧みずTさんがキングコブラを捕獲した理由は、子供の学費を稼ぐためだったというのだ。これに衝撃を受けたN・D・T・Pさん(女性・26歳)は、21日午前から5万3000人のフォロワーがいる自身の個人ページで募金活動を始め、夕方までに1億VND(約46万円)以上を集めた。

　寄付金はTさんの妻であるB・T・N・Tさん(28歳)に引き渡され、治療費や退院後に生計を立てるための事業資金として使われる予定。

　これに先立つ19日午前7時ごろ、Tさんの息子が農園内を大きな蛇が這っているのを目撃して大声で助けを求めた。叫び声を聴いて駆け付けたTさんが茂みを確認したところ、飛び出てきた全長2.5m、体重4.6kgの巨大なコブラに右の太ももを噛まれてしまった。

　Tさんは噛まれながらも、格闘の末になんとかコブラの首を掴んで取り押さえ、コブラが腕に巻き付いた状態で病院に救急搬送された。テープで口を縛られたコブラはその後に死亡が確認され、死骸はTさんの家族に引き渡された。

　このニュースを知った多くの人々が、Tさんのその勇気はどこから生じたのかと疑問に思っていた。この理由について妻は、「新学期が迫っているが、子供の学費を納付するためのお金がなかったため、キングコブラを捕まえて売ろうとした」と涙ながらに答えた。

　Tさん夫婦は子供が2人おり、上の子は9月から小学4年生、下の子は2歳半だ。Tさんは数か月前に交通事故で足を骨折したが、現在は「何でも屋さん」として生計を立てている。

　キングコブラに噛まれた後、Tさんは抗毒血清を投与され容体は回復しているが、24日の時点で依然として重症のままだ。

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