[社会]
ベトナム企業の若き「9X」役員たち、BOT案件に不正の疑念も
2017/12/07 15:03 JST更新
(C) zing, トゥー・ティ・ビック・グエット女史 |
メコンデルタ地方ティエンザン省カイライ町を通過する国道1号線に設置されたカイライ通行料金徴収所をはじめとする複数のBOT(建設・運営・譲渡)方式の道路の徴収所が運転手らから猛反発を受けている中、こうしたBOT案件を展開する多くの企業で社長や副社長を務めているのは「9X」と呼ばれる1990年代生まれの20代の若者だということがマスコミの調査で明らかになり、話題となっている。
具体的には以下のとおり。
1.カイライ町バイパス道路・国道1号線カイライ町区間補修案件(カイライ通行料金徴収所を運営)
同案件を直接展開するのはティエンザン国道1号線投資BOT(National Highway No.1 Tien Giang Investment)だが、同社株65%を保有しているのは、バックアイ建設投資コンサルティング(Bac Ai Construction Investment Consultation)。バックアイ建設投資コンサルティングの社長を務めているのは1992年生まれのグエン・ティエン・アン氏(男性・25歳)。
同案件の投資総額は1兆3980億VND(約70億円)、このうち、ティエンザン国道1号線投資BOTの自己資本比率が15%程度に留まっており、銀行からの借入金比率が85%に上っている。
バックアイ建設投資コンサルティングは現在、BOTおよびBT(建設・譲渡)方式による複数の交通インフラ案件を展開し、投資総額が合わせて10兆VND(約500億円)に上っている。
2.ファップバン~カウゼー道路案件
同案件を展開するのはミンファット社(Minh Phat)とその他2社の共同企業体。ミンファット社は同事業持分65%を保有し、社長を務めているのは1990年生まれのグエン・ティエン・ビン氏(男性・27歳)。
同案件の投資総額は6兆7310億VND(約334億円)、このうち投資主の自己資本比率は12%程度に留まっており、銀行からの借入金比率が88%に上っている。
ミンファットの株主らは、コンタイン交通建設投資(Cong Thanh Transportation Construction & Investment)にも出資している。コンタイン交通建設投資は、ハロン~バンドン高速道路案件を同じくBOT方式で展開し、同案件の投資総額は14兆VND(約70億円)に上っている。
3.カントー~フンヒエップ道路案件
同案件を展開するのはティーソン建設製造社(Thi Son)と第9建設投資社がそれぞれ50%を出資するカントーフンヒエップBOT(Can Tho Phung Hiep BOT)。同社の副社長を務めているのは1992年生まれのトゥー・ティ・ビック・グエット女史(女性・25歳)。
同案件の投資総額は1兆8368億VND(約91億円)、このうち投資主の自己資本比率は14%程度に留まっており、銀行からの借入金比率が86%に上っている。
なお、投資主の指定や事業予算の水増しなど、BOT方式による交通案件の展開にあたり不正があったのではとの疑問が広がっており、複数のBOT方式による交通案件に対する調査を求める声が多く挙がっている。
[Zing, 08:29 GMT+7 05/12/2017, A]
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