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[社会]

鉱山で身近な子供の鉛中毒、都市部でもリスク―オモチャ選びは慎重に

2017/02/22 15:36 JST更新

(C) Q.Dinh, Tuoi Tre
(C) Q.Dinh, Tuoi Tre
 保健省傘下の環境衛生・労働医学研究所はこのほど、国内の子供における鉛汚染の実態と対策に関する研究報告を発表した。  調査結果によると、東北部地方タイグエン省のランヒック鉛鉱山の近くに位置するドンヒー郡タンロン村では、調査対象者となった3~14歳の子供209人中109人で血液中鉛濃度が基準値より高かった。さらに、このうち105人が10~44mcg/dlで軽度、4人が45mcg/dlで中度の鉛中毒であることが分かった。  有色鉄物や錬鉄の生産地域である同省タイグエン市フーサー街区では、調査対象者となった3~14歳の子供180人中78人で血液中鉛濃度が基準値より高く、66人が軽度、12人が中度の鉛中毒だった。  但し、ベトナムでは血液中鉛濃度の基準値が10mcg/dlであるのに対し、米国では半分の5mcg/dlに設定されている。  今回の調査で鉛中毒が認められた子供に対して、鉛の体外除去を促進する製品を使用することで対応しており、この方法は蓄電池リサイクル業で知られる紅河デルタ地方フンイエン省バンラム郡チーダオ村ドンマイの子供にも実施されている。  環境調査では、水サンプル30点中3点、土壌サンプル30点中12点、食品サンプル10点中2点で基準値を超える鉛が認められた。  鉛中毒は土壌・水・空気のほか子供がよく使用する物品によるものと考えられる。調査では対象地域内の幼稚園2か所で壁の塗料や幼児の玩具についても鉛含有量を調べたところ、壁との塗料は安全が確認された一方で、一部の玩具で軽度の鉛汚染が確認された。  また、充電池の製造工場では工員の血中鉛濃度が非常に高く、作業服に付着した鉛や空気中の鉛を吸い込んだためと考えられる。工員が作業服のまま帰宅し、家族の衣類と一緒に洗濯することで家族の鉛中毒にもつながる危険性があるという。  同研究所は、保護者は子供の玩具や身の回りの物は生産元が明らかな安全なものを選ぶよう呼び掛けている。  子供の鉛中毒の症状としては貧血、癇癪、知能発達の遅れ、吐き気、腹痛、食欲不振、倦怠感、集中力の低下、精神成熟の遅れなどが挙げられる。 

[Lan Anh, Tuoi Tre, 13/02/2017 10:17 GMT+7, T]
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