少数民族のお団子ヘア専用ヘルメットを発表、試用後に大量生産へ [社会]

　西北部地方ソンラ省ソンラ市で10月31日に開かれた交通安全に関するイベントで、地場ヘルメット製造業者のHi技術社(Hitech)は少数民族のお団子ヘア専用ヘルメットを発表し、長い髪をお団子状にまとめたシニヨンのヘアスタイルが慣習になっているタイ族の女性約30人にこれを寄贈した。　ヘルメットはシニヨンを覆う設計となっており、重さも従来のヘルメットと同じで、安全基準を満たしている。女性らは約2か月間これを試験的に着用し、使い勝手などについて意見する。製造業者は、女性らの意見から必要に応じて設計を調整し、大量生産を行う計画だ。　大量生産と言ってもタイ族の女性はさほど多くなく、国家交通安全委員会はコスト削減のため製造業者を支援する予定。ヘルメット1個の販売価格は未定だが、最高で35万VND(約1900円)になる見通しだ。　タイ族の既婚女性は、夫への貞操を表すものとして頭頂部でお団子状に髪を結っている。殆どの女性はお団子の上からヘルメットをかぶるが、安全面で効果がなく、髪をほどくにしても手間と時間がかかる。こうしたことから、少数民族の女性らは、伝統の髪型を守れるヘルメットの出現を待ち望んでいた。　なお、同委員会の統計によると、2010年から2015年までに西北部地方で発生した交通事故件数は1万0122件で、全国における件数の5.1％を占めている。また、死亡者数は4968人、負傷者数は1万0906人で、それぞれ全国の8.6％、5.3％を占めているという。

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