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[社会]

政府のビジョン策定案、有識者が基本的な問題が欠落と批判

2013/07/13 08:39 JST更新

 中央経済管理研究所(CIEM)は3日、CIEMとスウェーデンのコンサルタント企業SKLインターナショナルが政府から委託を受けて作成した「ベトナム政府のビジョン策定支援および2020年までの実施スケジュール」の2回目の草案に対する意見聴取セミナーを開催した。2人の有識者が草案の内容に疑問を呈した。ラオドン紙(電子版)が報じた。  ホーチミン国家政治学院のゴ・クアン・ミン博士は、草案には現在のベトナムにとって最も重要で基本的な問題が盛り込まれていないと批判した。ミン氏は、政策立案と実施評価の制度と共に政策に反した場合の制裁措置も必要だと指摘。公務員の葬儀の花輪の数や結婚披露宴のテーブル数の制限規定など、国民が関心を寄せない「雲の上の政策」がいまだにまかり通っているとし、こうした多くの死にかけた政策について、誰も責任を追及されず処分もされていないことが問題だとした。  ミン氏は、目の前の出来事に対処するだけで精一杯の政府ではなく、コンパクトで効果的な運営能力を持つ政府が望ましいと述べた。

 経済貿易研究所のグエン・バン・ナム元所長は、ビジョン策定に当たっては行政改革問題を実際の政治制度に結び付ける必要があると主張。「手続きの改善ばかりに熱心では、先っぽをいじるだけで根本からの改革にならない。効果が少ないばかりか巨額のコストが生ずることになる」と警告した。  人材育成策については、各政府機関は人材育成の重要性を認識しているにも関わらず、実行できていないと指摘した。公務員全体に言える問題として、知識は豊富だが実務能力が不足しており、国民や上司にどう接すればよいのかも知らないと嘆いた。  公務員の給与改革問題については、給与の額と生活水準の関係にばかり関心が向けられているが、基本となるのは労働生産性との関係だと強調。労働生産性が重視されていないため、仕事熱心な職員がいる一方で怠けているのに出世がやたらに早い者がいるのが常態化しているとした。  前出のミン氏は給与政策の問題点について、「我々自身、毎月の収入を把握できていない。複数の次官が公務員の給与では生活にも不十分で家も車も買えないと発言しているが、実際には皆生活できているし中には裕福な者もいる」と補足。コメの値段に換算すれば公務員の給与は1985年とほぼ同じ水準だが、明らかに生活水準は向上しているとした。また「今必要なものは公務員給与の管理制度だが、ビジョン草案では言及されていない」と見直しを求めた。  

[Lao dong online,05/07/2013 09:41,O]
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