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[社会]

性転換を公認された初めてのベトナム人“女性”

2012/09/15 08:33 JST更新

(C)VnExpress、ファム・レ・クイン・チャムさん
(C)VnExpress、ファム・レ・クイン・チャムさん
 子供の頃から「体は男性、心は女性」の性同一性障害の悩みを抱えていたファム・バン・ヒエップさんは、性転換手術を受けた後、地方政府から戸籍上で女性と公認された初めてのベトナム人となった。名前をファム・レ・クイン・チャムさんに改名することも認められた。6日付VNエクスプレスが報じた。  東南部ビンフオック省で両親と一緒に暮らしていたチャムさんは、小学校に入学した時には既に自分の性に違和感を感じていたという。思春期に入った頃、胸が女性のようにふくらみつつあることに気が付いたが、誰にも相談できず太ることで隠そうとしたため、体重は40キロから倍以上の84キロまで増加した。  高校を卒業し、ホーチミン市の大学に通うようになり、チャムさんはインターネット上で女性の名前と写真を使って、男性とのやり取りを楽しむようになった。この時知り合った米国在住の越僑青年がチャムさんの運命を変えるきっかけになった。チャムさんが自分の事情を告げると、青年は同情しその後も励まし続けてくれたという。

 チャムさんは、自分の本来の性を取り戻し、この青年といつか対面するためにも、性転換手術を受けようと決心した。2006年にホーチミン市の病院に相談に行くと、タイでの手術を勧められた。しかし費用が高くてすぐには実行できない。チャムさんは学校を休み、しゃにむに働いた。貯金と青年からの援助で25万ドル(約1970万円)を用意したチャムさんは、それから2年間かけてタイで性転換手術を受けた。  体もすっかり女性になったチャムさんは2008年半ばにベトナムに戻り、地方政府に戸籍上の性別と名前の変更を申請した。前例がないため時間はかかったが、翌2009年末にこの申請は正式に承認された。チャムさんは変更の決定書を手にした時、「これから初めて本当の自分として生きられる」との思いが溢れて子供のように泣いたという。  チャムさんは今、女性としての生活を楽しみ、声のよさを生かして来年には歌手デビューを計画している。ただ一つ残念なのは、まだ米国在住の恋人に会えずにいること。彼女は「彼のことを心から尊敬しあこがれています。彼と温かで幸せな家庭を築くことを夢見ています」と語った。 

[VnExpress,6/9/2012, 07:15 GMT+7,O ]
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