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[社会]

ベトナム戦争で子供を失った米国とベトナムの母が対面

2012/09/01 08:08 JST更新

(C)VnExpress、レイさんとモアンさん
(C)VnExpress、レイさんとモアンさん
 ベトナム戦争で戦死した息子を持つ米国人の母親レイ・チェイニーさんと、息子と娘を失ったベトナム人の母親ホー・ティ・モアンさんが、北中部クアンチ省で感動の対面を果たした。VNエクスプレスが報じた。  レイさんの息子ダニエルさんは1969年、21歳の時にベトナムで戦死した。レイさんにとってそれは長年心の傷になって残り、ベトナム戦争のことを考える度に心のうちに憤りを覚えるほどだった。  レイさんの娘夫婦が「ピースツリー」という非政府団体(NGO)をベトナムで設立すると知った時、レイさんは反対こそしなかったが、自分がこの活動に参加するとは思ってもいなかった。彼女にとってベトナムは遠ざけておきたい場所だった。  娘のジェルリンさんから、NGOの支援者に感謝の手紙を書く仕事を頼まれた時も、レイさんは気が進まなかったが、「皆が良い関係を築こうと努力しているのだから、私も変わらなければ」と自分に言い聞かせて、活動に参加することを決めた。

 それから15年、書いた感謝の手紙は8000通に達した。手紙を書く度に、ベトナムにも自分と同じように戦争で子供を亡くした母親がいることを思った。2010年にはずっと避けていたベトナムを初めて訪れる気になった。レイさんは90歳になっていた。  レイさんは、ピースツリーがクアンチ省で築いてきた友好村とかつての地雷原に育った何千本もの樹木を目にした。ピースツリーが建設した新しい平和図書館の落成式で、レイさんは戦争で2人の子供を亡くしたモアンさんと共にテープカットを行った。レイさんは改めて子供を戦争で失う悲しみに立場の違いはないと感じ、ベトナムの戦死者の母親達と友情を育みたいと思ったという。  ピースツリーは、クアンチ省の残留地雷除去と地元民の生活向上を目的に、1995年に設立された。同年7月に米越両国の国交が正常化したことをきっかけに、ジェルリンさんと夫のダナアンさんがベトナム政府に働き掛けて実現した。ダナアンさんは1年後に早世したが、ジェルリンさんが中心になって活動を続けている。  

[VnExpress,7/8/2012, 18:21 GMT+7,O ]
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