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ベトナムの私立大学では、合併や買収などの動きや大学運営側の主導権争いなどが起きており、学生が落ち着いて勉強できる環境が失われている。問題の根源は、「民立」大学から「私立」大学への移行プロセスにあるようだ。ベトナムネットが報じた。
ベトナムでは1990年代初めに教育の社会化への要求が高まり、非公立の大学が設立された。当時は「私立」という言葉にまだ抵抗があり、「民立」大学の形式が取られた。民立大学規則を定めた首相決定第86号/2000/QD-TTgは、「民立大学は1つの組織によって設立される」と規定しているが、これは形式的な規定にすぎず、実際に出資しているのは複数の個人だった。しかし、財産の所有権については不明確な状態のままだった。
こうした中、ファム・ザー・キエム副首相(当時)は2006年に、民立大学19校が「私立」大学に移行することを許可する決定を出した。民立大学から私立大学への移行過程では、所有形式と大学指導権の2つが問題になった。
所有形式は、民立大学では「団体所有」とされていたが、2009年に公布された私立大学規則を定めた首相決定61号/2009/QD-TTgにより、私立大学では「大学の共通所有」にすると規定された。
これは民立大学の団体所有財産が私立大学に無償で引き渡されることを意味するとして、批判する声が上がった。これを受けて政府は2011年に、首相決定61号を改正した首相決定63号/2011/QD-TTgを公布した。この決定では、団体財産の代表者が定義されたが、団体の成員は何の利益も得られないという問題が残っている。
一方大学指導権については、私立大学規則で出資者の権利が大幅に認められたが、大学教員の権利はないに等しい。
この2つの問題が主因となって、私立大学内で主導権争いや派閥間の抗争が生じている。この数年、私立大学で起きている問題は、民立大学と私立大学に関する政策の不備がもたらしたものと言えるだろう。
[Vietnamnet,24/7/2012 06:00,O ]
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