[社会]
カントー:離婚相談も引き受ける年配男性の代書屋達
2012/08/11 08:31 JST更新
(C)Vietnamnet |
メコンデルタ地方カントー市のアンラック市場には、告訴状や離婚届など役所に提出する書類を代書する人達が店を出している代書屋通りがある。代書する1通1通の書類には、それぞれの人生や運命が垣間見える。ベトナムネットが報じた。
彼らが代書を頼まれる書類で最も多いのは、土地に関する訴訟の告訴状で、それに次いで離婚届が多い。年配の男性がほとんどの代書屋達は、簡単には離婚届の代書をしない。離婚したい理由を尋ね、離婚後の生活の大変さを話す。理由を聞かれて怒る人はほとんどいないという。
代書業数十年というチャン・ホアン・フンさん(70歳)が、2年前に22歳の女性をお客として迎えた時には珍しく「すぐ代書してくれないなら別の所で頼むからいい。相談なんかしたくない」と怒られてしまった。フンさんは「若い世代は、ちょっとした言葉の行き違いで離婚に走る傾向があるようだ」と話す。
グエン・バン・ヒエウさん(62歳)も、30歳以下の若い夫婦の離婚届を代書することが多い。「夫婦でここに来る人達は、どうしても聞く耳を持たない。自分の考えだけ主張して譲らず、離婚届を持ち帰ると決めている」とヒエウさん。
代書屋達は、この仕事を通じて世の中で起きている悲喜劇を知ってしまう立場にある。土地の相続をめぐる肉親同士の殺人事件に友人の娘を狙ったレイプ事件、警察の捜査に協力したこともあるという。
代書料金は実費を別にして8万~10万ドン(約305~382円)。毎月の収入は200万ドン(約7630円)程度だ。この道40年近いというファン・バン・トゥーさんは「毎朝ここへ来て、仲間達と一緒に仕事をしていないと寂しく感じる。かつては13人がこの仕事をしていたが、今は8人が残るだけになった。このうち3人は私と同じように身体障害者だ。仕事を今まで続けてこれたのは、家族や社会の重荷になりたくない、自立しようという思いがあったから」と語った。
[Vietnamnet,15/7/2012 11:10,O ]
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