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ホーチミン市11区に住む男性ドゥオックさん(36歳)は、バイク販売店に入るなり、リュックサックをドサッとカウンターに置き、やおら中から大量の小額紙幣を取り出し始めた。
「妻にプレゼントするバイクを買いに来てね」と言う男性は、あぜんとする店員や他の客を尻目に、1000VND(約6円)札の束、2000VND(約12円)札の束、5000VND(約30円)札の束を次々と取り出しては、積み上げていく。
バイク店の店長によると、大量の小額紙幣を持ち込んでバイクを買いに来たと言い出す男性に、はじめは誰もが冗談だと思ったそうだ。しかし男性の顔はいたって真面目で、店員は2時間近くかけて計11kg分の小額紙幣を数えた。
その日持ち込まれた小額紙幣は総額3276万9000VND(約20万円)。購入予定のバイクの代金は4700万VND(約28万7000円)で、不足分は銀行振り込みで支払われた。
「こんな出来事は初めてです。バイクはほとんどの場合が銀行振込みで支払われるので。5000VNDの束が37、2000VNDの束が50、1000VNDの束が38…いやはやビックリですよ」と店長。
店長がすかさずその光景を動画に撮りSNSにアップすると、動画は瞬く間に120万回あまりの再生数を稼ぎ、コメント欄には大量の賛否があふれた。賞賛もあれば、「ネタ動画」を疑う声もあった。
当人のドゥオックさんによると、この小額紙幣はおよそ2年かけて貯めたもので、機械関係の仕事柄、お客さんと現金で取引することが多く、普段から夫婦で小額紙幣を貯金し、毎月70万~100万VND(約4300~6100円)を貯金していたという。
「貯金は私たち夫婦が楽しみでしていたもの。私はSNSをほとんどしませんので、再生回数なども特に興味はありません。だから本当に、貯めた小額紙幣でバイクを買いに来たというだけで、バズろうなどと狙ったということではありません」と話すドゥオックさん。以前から小額紙幣を貯めてバイクを購入しようと思っていたが、最近になって妻のバイクがかなり古くなったことを感じ、貯めたお金を使って、新しいバイクを買ってあげたかったのだという。