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北中部地方タインホア省は、生まれつき両腕のない女性レ・ティ・タムさん(25歳)を教員として特別任用した。7月28日に、同省人民委員会ドー・ミン・トゥアン主席自ら、タムさんを教員として任用することの決定書を手渡した。タムさんは、自宅近くにある、ドンソン郡(huyen Dong Son)ドンティン小学校で英語を教える。
トゥアン主席は、数多の困難を乗り越えて教師となったタムさんの努力に感服し、「誰にでもできることではないその努力に共感が広がっている」と述べ、タムさんが職務を遂行するための条件を整えるよう学校側に要請した。タムさんは、省幹部に謝意を表すとともに、与えられた任務を全うできるよう努力すると述べた。
両腕のない状態で、1000gと少しの体重で生まれたタムさんは、4歳で通うようになった幼稚園で、友達が書く練習をするなか自分だけさせてもらえなかったため、自分も書く練習をしたいと自ら先生に伝えた。左足の指で鉛筆を挟み、友達と一緒に書く練習をした。足の指にはひっかき傷ができ、マメができ、痛くて眠れないことも多かったという。
しかしタムさんは、困難で大変なことほどやる気になった。幼稚園でも家でも一生懸命に書く練習をした。5歳になると、上手に書けるだけでなく、数字も文字も読めるようになり、6歳で他の同年齢の友達と一緒に小学校に入学した。
2016年に大学に特別入学し、英語教員になるため学業に勤しんだ。2020年に卒業して故郷に帰り、自宅近くで子供たち向けに無料英語教室を開いた。教壇に立ち、自分の知識を生徒に伝え、自分に合った環境で教育に貢献することが、彼女の大きな夢だった。
内務省の規定では、公務員の採用は原則として試験をパスする必要があるが、場合によっては応募者の希望と能力に基づいて、権限を有する機関の長が特別に採用を決定できることになっている。