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英国の経済誌「エコノミスト(The Economist)」は最近掲載した記事で、ベトナムの1人当たり国内総生産(GDP)は3760USD(約54万4000円)で、近隣のマレーシアやタイより低いが、多くの子どもが世界で最も優れた教育システムの1つで学んでいると伝えている。世界銀行(WB)の最新データによると、学業成績の総合点でベトナムの生徒はマレーシアやタイだけでなく、ベトナムより6倍以上裕福な英国やカナダの生徒も上回っている。
エコノミストは、ベトナムでは生徒の学業成績に性別や地域による格差はみられないと評価。成功の要因として、小学校低学年の児童が学校で学習する時間が長いことを挙げている。
スウェーデンのストックホルム商科大学のアビジェート・シン(Abhijeet Singh)准教授による2020年の研究では、エチオピア、ペルー、インド、ベトナムの4か国の生徒を対象に同一テストを行った結果、ベトナムの教育効果が最も高いことが分かったとしている。特に5~8歳の児童で差が顕著だったという。
研究は、ベトナムとインドの算数テストの得点差は教師の教え方にあると指摘。ベトナムの教師はよく訓練され、教え方に工夫があると評価している。また地域格差の解消のため、へき地に派遣する教師の給料を高く設定したり、生徒の成績によって教師を表彰したりするなど、教師のモチベーションに配慮している。