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地場大手飲料メーカーのタンヒエップファット商業サービス社(Tan Hiep Phat)のチャン・クイ・タイン会長 兼 社長(男・70歳、東南部地方ビンズオン省在住)およびその娘であるチャン・ウエン・フオン副社長(女・42歳、同)とチャン・ゴック・ビック副社長(女・39歳、同)の3人が、「信頼を悪用した資産横領容疑」で起訴されたことを受け、同社は11日、新社長を発表した。
プレスリリースによると、社長 兼 法的代表者に新たに就任したのは、英国籍のデビッド・リドル(David Riddle)氏。リドル新社長は1950年生まれの73歳で、複数の多国籍企業の管理職を歴任した後、同社に入社し現在に至る。勤続13年のベテラン社員で、社長就任前は副会長を務めていた。
タンヒエップファットは、「創業者の逮捕により、当社の活動が多少の影響を受けることに違いないが、起訴に至らせた3人の活動は当社に一切関与していない。顧客、国内外のパートナーに対するコミットメントの継続的な維持と完全な実施を保証する」と明言した。
なお、タイン会長親子3人のうち、タイン容疑者とフオン容疑者の2人は逮捕され、ビック容疑者は在宅起訴された。同社は、タイン会長一家が完全に保有するファミリーカンパニーで、飲料事業で安定した高収益を上げている。一家は2018年に不動産市場への進出を果たし、不動産案件の合併・買収(M&A)にも注力してきた。
被害に遭って告発した1社である不動産デベロッパーのキムオアインドンナイ開発投資(Kim Oanh)によると、資金借り入れを希望していた同社はタンヒエップファットとの間で契約を締結。違法な高利貸しであることを隠蔽するため、「不動産案件購買契約を装った金銭貸借契約」の形で契約が交わされた。タイン親子はその後も、キムオアインドンナイによる支払いの受け取りを拒否し、不動産案件を占有し続けているという。
タンヒエップファットは、コカ・コーラ・ベトナム(Coca-Cola Vietnam)やサントリーペプシコ(Suntory PepsiCo)などの外資系企業と肩を並べる飲料メーカー。人気ブランドとして、清涼飲料「緑茶0度(Tra xanh 0 do)」や「ドクター・タイン(Dr. Thanh)」、エナジードリンク「ナンバーワン(Number 1)」などが挙げられる。