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詐欺グループが代金を支払うことなくベトナムの複数のカシューナッツ輸出企業からカシューナッツを騙し取ろうとした事件で、被害企業はイタリア当局の支援のもと、船積書類の原本を紛失していたコンテナ35個分の全てを回収した。
今回の詐欺事件はベトナムのカシューナッツ業界で過去最大規模の事件となっている。
被害企業らは2月、キムハインベト社(Kim Hanh Viet)の仲介でイタリアの複数の購入者にコンテナ100個分のカシューナッツを輸出する契約を締結した。このうち、一部はイタリアの港に到着済みで、残りは輸送中に事件が発覚した。
購買契約では、支払渡し(Documents against Payment=D/P:信用状(L/C)なしの荷為替手形で、輸入者(買主)が銀行に代金を支払うことを条件に、船積書類が銀行から輸入者に引き渡され、貨物を受け取ることが可能)の決済形式が採用されていた。詐欺グループはこの決済形式を悪用し、何らかの方法で代金を支払うことなく船積書類の原本を獲得したとみられている。
100個のうち、35個は船積書類の原本を紛失していたことが確認された。これを受け、企業は輸送中のコンテナをブロックすると共に、ベトナム当局から協力を得てイタリア当局に対し、同国の港湾に到着したコンテナに凍結措置を適用するよう要請した。
イタリアのジェノヴァとラリーノの裁判所は5月30日までに、船積書類の原本を紛失していた35個分について、ベトナムの企業が全てを回収するとの判決を下した。
被害企業らを代表するイタリアの弁護士事務所は同国の税関機関や警察と協力し、判決の執行を進めている。なお、イタリア当局は引き続き今回の詐欺事件の捜査を進めている。