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世界銀行(WB)はこのほど、ベトナムの高齢者の経済状況と健康を改善するための支援プロジェクトの始動式を開催した。世銀が管理する日本社会開発基金(JSDF)から275万USD(約3億0500万円)を無償で支援する。
プロジェクトの主な内容は「世代間自助クラブ」ネットワークの拡大で、180以上のクラブを新設する。1つのクラブの成員は50~70人で、世代間の多様な活動を通じて参加者の収入向上や健康増進などを図る。このモデルは2006年にベトナムに初めて導入され、政府もその効果を認めて国の政策に取り入れている。
貧困高齢者を支援する非政府組織(NGO)「ヘルプエイジ・インターナショナル(HelpAge International)」のベトナム事務所とベトナム高齢者協会が、共同で2024年9月までプロジェクトを実施する。これにより6つの省の約2万7000人が恩恵を受けることになる。このうち70%が高齢者だ。
ベトナムではこれまでに全国63省・市のうち61省・市で、計3500のクラブが設立されている。労働傷病兵社会省の統計によると、2020年末時点の高齢者の人口は1100万人余り(うち80歳以上が約200万人)で、全体の11.95%を占める。高齢者人口の割合は2035年に20%、2050年には30%に達すると予測されている。