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ハノイ工科大学のファン・チュン・ギア准教授はこのほど、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の移動式簡易検査ブースを考案した。ブースの設置にかかる時間は僅か10分とされている。
医療従事者が感染リスクの高い地域で、通気性の悪い防護服を着て何千人もの患者の検体を採取し疲弊しきっている様子を見た准教授は、ストレッチャーや陰圧タイプの車いす型アイソレータを製作した自身の経験を生かして移動式簡易検査ブースを製作した。
6月初めに、保健省傘下の医療機器研究所から安全な検査ブースの製作を依頼された准教授がメイコー・エレクトロニクス・ベトナム(Meiko Electronics Vietnam)と協力して移動式簡易検査ブースを製作。この検査ブースを使用すれば、医療担当者は防護服を着用せずとも、安全に検査を行うことが出来るという。
検査ブースは面積1m2、高さ2.5mのボックスタイプ。重さは約12kg。医療従事者が中に入って、ブース外にいる患者の検体採取を行う。外側がプラスチックで覆われた金属製のフレームを骨組みとし、気密性を確保するため、出入り口を含む全体をビニールで覆っている。
内部には除菌ライトが装備されているほか、清潔な空気を循環させるための空調システムも完備。内部では防護服を着る必要はなく、マスクの着用のみで安全に作業が可能。検体採取は、ブースに取り付けられた手袋を使ってビニール越しに行う。
簡易検査ブースは現在、東北部地方バクザン省や北部紅河デルタ地方バクニン省などの医療センターで使用されている。検査ブース1つ当たりの費用は1000万VND(約4万8300円)。研究チームは今後、他の流行地域にも検査ブースを導入する方針。