(C) Vietnamnet |
グエン・ティ・レ・トゥーさん(女性・1994年生まれ、東北部地方バクザン省出身)とドアン・ゴック・バオさん(男性・1993年生まれ、ハノイ市出身)は、以前から社会活動に数多く参加するなど身体障がい者コミュニティで有名な2人だ。2人はお互いのことを知ってはいたが、話をしたことはなかった。
ところがトゥーさんは、バオさんがあるイベントに参加している写真をたまたま目にして強い印象を受けた。障害を持ち暮らし向きも困難な中、自信に満ちた笑顔のバオさんが自分と重なり親近感を覚えた。
バオさんに興味を持ったトゥーさんは、バオさんのフェイスブック(Facebook)の投稿を見るようになった。するとトゥーさんは、片脚でローラーブレードを使いこなす姿、周囲の人を笑顔にするバオさんの楽観的な姿に益々興味を惹かれた。
バオさんと同じく片脚のトゥーさんは、自分もローラーブレードをしてみたいと思い、バオさんのフェイスブックのアカウントに友達申請をした。この時、同じ境遇にあるバオさんと後に交際し、結婚に至ることになるとは、トゥーさんは思いもしなかった。
トゥーさんは10歳の時に不慮の事故で右足を失った。一方のバオさんは左足が先天性の象皮症で治療を続けていたが18歳の時にやむなく切断することとなった。その後、バオさんは片脚を失ったショックを乗り越え、ローラーブレードだけでなく競泳やボルダリングなど自らの可能性に挑戦した。2015年には韓国で開催された障がい者の冬季スポーツ大会のスキー種目に出場するにまでなった。現在はローラーブレードの講師と用具販売で生計を立てている。
交際を経てバオさんは手作りの指輪でトゥーさんにプロポーズし、2人で今後直面するかもしれない困難についてもよく話し合った。そして3月12日、バオさんとトゥーさんは家族や友人にも祝福され晴れて夫婦となった。トゥーさんはバオさんに安心感や信頼を感じ、バオさんはトゥーさんといると素の自分でいられるという。バオさんはトゥーさんの右足となり、トゥーさんはバオさんの左足となり、笑顔の絶えない家庭を築くことだろう。