(C) tuoitre, Cさん 写真の拡大. |
ホーチミン市7区のフランス・ベトナム病院(FV病院=FV Hospital)が「情報を捏造された」として賠償金を求めて患者の女性を提訴した裁判で、7区人民検察院は21日、病院側の立場を支持する判決を下した。
N・T・M・Cさん(7区在住)は緊急避妊薬を摂取した約3~4週間後に不正出血があり、診察を受けるため2018年6月19日にFV病院を訪れた。妊娠検査薬では陰性、超音波検査でも妊娠は確認されず、凝血塊の可能性が高いと診断された。
FV病院で凝血塊を摘出するための薬を投与されたが同日夜に出血が止まらなくなり、改めて同病院で妊娠の検査を受けたところ、妊娠していたことが確認され、不正出血は「流産による出血」と結論付けられた。
CさんはFV病院に数日間入院して治療を受けた後、さらに同市のツーズー病院でも治療を受けた。FV病院の対応に不満を持ったCさんは2018年6月23日、フェイスブック(Facebook)に「誤診された」「流産させられた」などFV病院の医師らを非難する書き込みを投稿し、大きな波紋を呼んだ。
FV病院は、Cさんが情報を捏造して同病院の尊厳を損なったとし、「危機の解決にかかった費用(危機の解決にあたったメディア会社への報酬)」および「精神的損失」への補償としてCさんに13億VND(約607万円)の賠償金と公開謝罪を求めた。
裁判所は「病院の対応に問題はなかった」として病院側の立場を支持し、賠償金を請求する権利があると判断する一方で、病院が請求した「危機の解決にかかった費用」は法律で規定された損害を克服するために必要な費用にはあたらないとし、「精神的損失」の補償としてCさんに賠償金1390万VND(約6万5000円)を支払うよう命じた。
Cさんは賠償金の支払いに加えて、フェイスブックの投稿を削除し、新聞3紙で公開謝罪をしなければならない。
今回、Cさんも自分が被害者だとして同病院を提訴し、1億4300万VND(約67万円)の賠償金と公開謝罪を求めていたが、裁判所は「不当」としてこれを却下した。Cさんは一審判決を不服として控訴する構えを示している。