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北中部地方タインホア省トゥオンスアン郡ルオンソン村(xa Luong Son, huyen Thuong Xuan)に住むドー・ティ・モーさん(女性・83歳)は9月初め、同村人民委員会の社会政策部に「貧困手帳」を自主返納した。モーさんは1人自転車を漕いで自宅から1kmほど離れた役場に赴き、自らを貧困層に値しないと申し出たのだ。
「私は好きなものを食べ好きなものにお金を使い、1人悠々自適に暮らしています。広い土地もあるのに貧困と言えますか?私は11人の子供がいますが、頼る当てがないなんて言ったら子供たちを見くびっているのと同じです。頼る当ては沢山あるんです。でも頼るに及ばないだけ」とモーさん。
社会政策部の職員が、モーさんが貧困手帳の返納について意見を述べている様子を動画に撮り、インターネット上にアップロードしたところ、数万件の「いいね」が付いた。
同村人民委員会によると、モーさんは2018年にも貧困手帳の自主返納に訪れたが、モーさんが高齢の一人暮らしであることから人民委員会は返納を受け入れなかったという。
しかし、新しい基準に基づくとモーさんは貧困世帯には該当せず、今回は「希望通りに」貧困手帳の返納が認められた。これによりモーさんは貧困者医療保険や毎月の手当て、テト(旧正月)の贈答品などの恩恵を享受できなくなる。
モーさんの10番目の子供であるレ・チュン・フインさん(40歳)によると、モーさんの夫が1987年に亡くなって以来、稲作をして女手一つで11人の子供を育て上げた。11人のうち2人は既に亡くなっている。高齢の現在も稲と野菜を栽培しては売っている。子供たちは幼い頃から「人のお金をあてにしないで、自分の手足を使ってお金を稼ぎなさい」とモーさんに教育されてきたという。