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ベトナムを代表する数学者で、応用数学における「大域的最適化(Global Optimization)」分野の父とされ、開発研究所(Institutes of Development Studies=IDS)の創設者でもあるホアン・トゥイ(Hoang Tuy)博士が14日、ハノイ市で死去した。92歳だった。
トゥイ博士は1927年に南中部沿岸地方クアンナム省で生まれた。レ・バン・ティエム博士と並んでベトナムの数学分野を切り開いたパイオニアとして知られ、数学者としてだけでなく、ベトナムの教育にも大きく貢献した。
1955年、当時の教育省の任命により一般教育制度の改革に向けた準備を担い、一般教育の全科目のカリキュラムと教科書の構成を担当した。1957年に現在のロシアのモスクワ大学へ派遣され、1959年3月には同大学で数理科学の博士候補号(準博士号)論文を発表した。
その後も研究にまい進し、100本以上の論文が国際的に有名な雑誌に掲載された。ライナー・ホースト博士と共同執筆した大域的最適化に関する書籍は、大域的最適化分野の「聖書」とされている。
1980~1990年には数学研究所の所長を務め、開発研究所を創設。同研究所は1994年に第三世界科学アカデミーから発展途上国の優れたセンターとして認められた。トゥイ博士は科学への多大な功労により、1996年にベトナム政府から科学技術分野のホーチミン賞を授与された。