インターネットを利用した大規模な違法賭博・資産横領・マネーロンダリング事件で、東北部地方フート省人民裁判所は11月30日、被告らに判決を下した。
同事件は、ハイテクセキュリティ開発投資社(CNC)と大手ゲーム会社のVTCオンライン(VTC Online)の2社が公安省の上級幹部の保護を受けて2015年4月から「Rikvip」と「Tip.club」の2つのウェブサイトで賭博を違法に開催したというもの。この賭博ルートの規模は10兆VND(約490億円)近くに達した。
違法賭博ルートを運営し、賭博開催罪とマネーロンダリング罪に問われていた主犯格のCNC元会長のグエン・バン・ズオン被告(男・43歳)に2つの罪でそれぞれ禁錮5年の計10年、CNCと協力したとして同罪に問われていたVTCオンライン元会長のファン・サオ・ナム被告(男・39歳)に禁錮2年と禁固3年の計5年が言い渡された。ズオン被告は1兆7000億VND(約84億円)、ナム被告は1兆5000億VND(約74億円)の賭博開催で得た利益をそれぞれ払い戻さなければならない。
同裁判所はまた、CNCを公安省傘下の組織として扱うよう提案し、同ルートの賭博活動を保護し、「公務執行にあたり役職・権限を乱用した罪」に問われている公安省警察総局元総局長のファン・バン・ビン被告(男・63歳)に禁錮9年、同罪に問われている公安省ハイテク犯罪防止警察局(C50)元局長のグエン・タイン・ホア被告(男・60歳)に禁錮10年の判決のほか、いずれにも1億VND(約49万円)の罰金を言い渡した。
賭博開催、賭博、マネーロンダリング、インボイス違法購買、インターネットを悪用した資産横領の罪に問われていた残る88人は、罰金4000万VND(約19万7000円)~禁錮3年までの判決を言い渡された。
同裁判所はさらに関連機関に対して、長期間にわたって違法賭博を摘発せず責任を果たさなかった情報通信省の幹部の責任を追及するよう要請した。また、同事件の第2期として、ズオン被告とナム被告が警察総局の幹部らに賄賂を渡したかについても捜査し、証拠を把握でき次第贈収賄罪で裁判を開く。