ベトナムニュース総合情報サイトVIETJO [ベトジョー]
 ようこそ ゲスト様 

バリア・ブンタウ省:国家遺産の給水塔、60年以上ツバメが巣作り

2018/06/30 05:49 JST配信
(C) Nguyen Khoa, VnExpress
(C) Nguyen Khoa, VnExpress 写真の拡大.

 東南部地方バリア・ブンタウ省バリア市の中心部にある巨大な給水塔の貯水槽の下では、ツバメの群れが子育ての真っ最中だ。給水塔にはびっしりとツバメの巣が作られ、上空には餌を求めて親鳥が飛び交い、ヒナたちのさえずりが辺り一面に響き渡る。

 給水塔は同市の8月革命通りと4月27日通りの交差点に建ち、市民には「丸い家」の通称で呼ばれ、長い歴史を持つ。給水塔は20世紀初頭に教会の建設やゴム農園の開拓に伴い、統治者や兵士に水を供給するためフランス人によって建設された。

 給水塔は高さ20m、鉄筋コンクリートの柱8本の上に直径7mの円柱型の貯水槽があり、屋根はトタンでできている。柱同士は梁で繋がっており、配管が2本通されている。1945年に日本人が貯水槽の下に設置した警報装置は今もなお問題なく作動している。給水塔の下部には柱を取り囲むようにして一辺6m、高さ4mの八角形の部屋がある。この部屋は南ベトナム時代にバリア市警察局の事務所として使われていた。

 バリア市に住む男性(77歳)が60年前に同市に移住した頃には既に給水塔にツバメが住みついていて、更に年配の人々によればツバメはフランス統治時代から給水塔で巣を作っていたそう。

 ツバメの群れは毎年春になると給水塔に巣を作り、雨季の初めの数か月をここで過ごす。30年以上前に長期間にわたり給水塔の大規模修繕が実施された時に一度姿を消した以外は、毎年戻ってくるのだとか。過去には給水塔を登り巣を荒らしに来る人も現れたが、地元民が見つけ阻止した。また公の機関が集中していることもあり、ツバメたちが現在まで安全に子育てを続けられている。

 給水塔は1987年に国家遺産に認定され、現在では市内の観光スポットの1つとなっており、展覧会なども開催される。建築様式だけでなくツバメも給水塔の独自性を作り上げている。

[Nguyen Khoa, VnExpress, 21/6/2018, 08:10 (GMT+7), T].  © Viet-jo.com 2002-2025 All Rights Reserved. 
※VIETJOベトナムニュースは上記の各ソースを参考に記事を編集・制作しています。 免責事項
新着ニュース一覧
ホーチミンの市場とともに生きる:ニティエンドゥオン市場 (10:20)

 ホーチミン市の伝統的な市場は、少しずつ過去のものになりつつある。市場では、年を取った商人たちが屋台のそばに座り、にぎやかで慌ただしい現代の中で、記憶の炎を静かに守り続けている。  タンディン市...

サイゴン動植物園でフラミンゴのヒナが初誕生、20年の工夫実る (8日)

 ホーチミン市サイゴン街区(旧1区)のサイゴン動植物園でこのほど、20年越しの期待の末、フラミンゴのヒナが初めて自然に孵化し、母鳥に育てられるという快挙が生まれた。  同園では2006年以前に南アフリカの...

「ベトナムフェスティバルin愛知 名古屋」、11月8日・9日開催 (8日)

 日越文化交流イベント「2025ベトナムフェスティバルin愛知 名古屋」が、11月8日(土)と9日(日)の両日、愛知県名古屋市のエディオン久屋広場で開催される。  開催時間は8日が10時から21時まで、9日が10時から...

ホーチミン:文化遺産がテーマの2階建て観光バスが運行開始 (8日)

 ホーチミン市で4日、「サイゴンの文化遺産」をテーマにした2階建て観光バスが運行を開始した。サイゴン~タンディン間を走る2階建て観光バスを、地場ベト・ビッグバス(Viet Bigbus)が運営する。  同観光バ...

VNインデックス、3か月ぶりの1600割れ アジア最大の下落率 (7日)

 ベトナム株式市場は7日の取引で、アジア主要市場の中で最も大きく下落した。VNインデックスは前日比▲43.54ポイント(▲2.65%)安の1599.1の安値圏で引け、88日ぶりに1600を下回った。  VN30インデックスを構...

政府、台風13号の被害克服で南中部3省に4.6億円を緊急支援 (7日)

 政府は、台風13号(アジア名:カルマエギ、日本では台風25号)で被災地となった南中部地方のクアンガイ省、ザライ省、ダクラク省での被害克服に向けて、中央予算予備費から800億VND(約4億6400万円)を緊急支援する...

台風13号、死者5人・負傷者6人 2600軒の屋根が飛ばされる被害 (7日)

 ベトナム国家民間防衛指導委員会は7日朝、6日夜に南中部に上陸した台風13号(アジア名:カルマエギ、日本では台風25号)の被害状況について報告した。  農業環境省傘下の堤防管理・自然災害防止局によると、...

ホーチミン:フート競馬場地区で公園着工、26年完成予定 (7日)

 ホーチミン市建設局傘下の11区建設投資プロジェクト管理委員会は4日、同市フート街区(旧11区)のフート競馬場地区内で青少年向け娯楽公園「フート競馬場公園」を着工した。  投資総額は約1000億VND(約5億800...

韓国のフローズンヨーグルト店「ヨアジョン」、ベトナム初出店 (7日)

 韓国の食品製造会社であるサムファF&C(Samhwa F&C)はこのほど、自社で展開するフローズンヨーグルトのフランチャイズ(FC)店「ヨアジョン(Yoajung)」のベトナム1号店を南中部地方ダナン市にオープンした。  ...

FPT、ドイツに4か所目の事務所開設 DX支援強化 (7日)

 ベトナムIT最大手のFPT情報通信[FPT](FPT Corporation)は、ドイツのフランクフルトに同国4か所目の事務所を開設した。  欧州市場での事業拡大を目的としており、特

ベトナム航空、独自ブランドの「香り」導入 業界初 (7日)

 ベトナム航空[HVN](Vietnam Airlines)は6日、独自ブランドの香り「ニャー(Nha、「エレガント」の意)」を発表した。  国内の航空会社が独自の「香り」を導入するの

25年1~10月期のFDI認可額、増資と出資が牽引 選別投資が進む (7日)

 計画投資省海外投資局(FIA)が発表した海外直接投資(FDI)に関するデータによると、2025年1~10月期のFDI認可額(推定値)は前年同期比+15.6%増の315億2000万USD(約4兆8500億円)となり、実行額(推定値)も同+8.8%...

ハノイ市人民委主席が中央監査委員長に転任 (7日)

 ハノイ市人民委員会主席のチャン・シー・タイン氏が5日、党中央執行委員会によって中央監査委員長に選出された。  タイン新中央監査委員長は1971年生まれの54歳。北中部地方ゲアン省の出身で、経済学修士号...

国産電動バイク「Before All BF」シリーズ登場 (7日)

 ハノイ市の国家展示センター(VEC)で開催された「秋季フェア」で、トゥアンギア製造組立(Tuan Nghia)が国産の電動バイク「ビフォア・オールBF(Before All BF)」シリーズを発表した。  同モデルは洗練された...

コンダオ諸島で初の電気バス、12月初旬に運行開始 (7日)

 ホーチミン市建設局によると、同市コンダオ特区(コンダオ諸島)で初の電気バス路線が12月初旬に運行を開始する予定だ。特区内の主要交通手段が依然としてガソリン・ディーゼル車に依存している中で、今回の電気...

©VIETJO ベトナムニュース 2002-2025 All Rights Reserved