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ホーチミン市12区アンフードン街区には、日本の建築様式を取り入れた寺院「カインアン院」があり、参拝者が後を絶たない。
カインアン院はかつて住職のチー・ヒエン僧侶が1905年に小さな寺を建設したのが始まりだ。当時カインアン院は、裕福な一族が寄贈した旧アンロックドン村と旧ハインフー村(現アンフードン街区)にまたがる6haの土地の真ん中に、小さな本堂が建っているだけだった。
この土地は、第一次インドシナ戦争時代に戦士らが集結し士気を高める場所でもあった。戦中は幾度となく攻撃を受け、竹やレンガを残すのみとなった。しかし2006年に大規模修繕が行われ、2016年に現在の姿となり、名前はカインアン院に改められた。
本堂は木材と石材で建設された4階建てで、威厳のある佇まいだ。本堂に続く石造りの階段はハスの花が彫られている。本堂は「仏教道」と呼ばれ内装は木材で施されており、儀礼や座禅が行われる。改築に伴い、宮殿文化という解釈から竜などの彫刻は省かれ原始的な様式に戻されたほか、東北アジアの仏教の要素が取り入れられている。
特に日本の寺院建築を感じるのは塔だ。旭のような朱色の塗装、木材の茶色、石灰岩の白、装飾に使われている銅色と色鮮やかで、各所に電灯が吊るされている。三重塔の頂部には相輪が空にそびえ立つ。また、境内の随所に木造りの灯篭が立てられている。
カインアン院は連日、個人や団体が参拝に訪れており写真撮影に興じている。同院では人々の暮らしに仏教の心得の普及活動として修行や座禅なども催している。