(C)VnEconomy |
米イリノイ州シカゴの空港で9日、米ユナイテッド航空の離陸前の機内から、定員超過を理由に無理やり引きずり降ろされた乗客は、ベトナム系米国人医師のデビッド・ダオ氏(69歳)だったことが分かった。ダオ氏は鼻と耳を負傷し、入院して治療を受けている。
地元紙によると、同氏は1975年以前に旧南ベトナムのサイゴン(現在のホーチミン市)で活躍していた音楽家のダオ・ズイ・アイン氏だという。同氏は1960~1970年代に音楽活動を行い、ベトナム戦争が終結した1975年頃に米国へ渡っていた。
ダオ氏の弁護士は12日、イリノイ州の裁判所に対し、監視カメラの映像や乗客・搭乗員名簿、その他関連資料の保存をユナイテッド空港に命じるよう求める訴えを起こした。シカゴの航空管理当局は既に、ダオ氏を引きずり下ろした保安担当者ら3人の職務を停止している。
この問題について、ユナイテッド航空のオスカー・ムニョス最高経営責任者(CEO)は12日、改めてダオ氏とその家族、全ての乗客に謝罪し、「オーバーブッキングを理由に乗客に降機を強制することはしない」と誓った。
ダオ氏が引きずり降ろされる様子を撮影した映像はインターネット上で広まり、世界中からユナイテッド航空への批判が集まっている。ユナイテッド航空のボイコットやオーバーブッキングの禁止措置への呼び掛け、ムニョスCEOの辞任を求める声などが上がっている。