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仲間同士で食事をした時、誰が代金を支払うかはデリケートな話で、正面から語られることは少ない。しかし多くの人にとって頭の痛い問題になっている。
米国人のマイケルさん(27歳)は最近、自分が「けち」と悪口を言われているのを偶然耳にした。仲間内で食事した後、他の国では割り勘にするのにベトナムでは必ず自分が払うと請求書を取り合う。それなのになぜ影で悪口を言うのかと怒っている。
ホーチミン市在住のクオンさんは「皆話すのを避けているが、ベトナムでは普通のこと。自分をえらく見せたいという面子第一主義が原因」と分析する。同市在住の女性リンさんは「収入が高くないのに、女性と食事する時はいつも自分が払うという男性がいる。女性側は割り勘でもかまわないけれど、男性の自尊心を傷付けることを恐れて言い出せずにいる」と話す。
ベトナムには何かを新調した時に、周囲にごちそうする「ズーア(ルーア)(rua)」という習慣もある。外資系企業に勤めるフンさんは、やむを得ない事情があって借金して中古車を購入した。ズーアを期待されるので、会食への参加を極力避けているという。