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ハノイ市チュオンミー郡ドンフオンイエン村には「がん村落」と呼ばれている場所がある。村の中で地形的に最も低い場所に位置するルンビ村落で、周辺にある各工場が垂れ流す廃水がこの場所に集まり、灌漑用水路の水は常に赤黒く濁って悪臭を放っている。
この村落では生活用水に井戸水を利用している。井戸水は用水路と同様に濁り嫌な臭いを発しているが、住民は仕方なく濾過して使っている。昨年実施した水質検査で、多くの項目で安全基準を3~5倍超えていることが分かっている。
ルンビ村落の人口は約1800人だが、この10年で45人ががんで死亡した。2014年に限れば、死者12人のうち8人ががんにかかって死亡した。グエン・ティ・トゥアットさん(72歳)には5人の息子がいるが、この2年で3人が次々に肝臓がんで死んでいった。さらにもう1人も、最近肝臓がんが見つかったという。
ドンフオンイエン村人民委員会のファン・ゴック・フアン副主席によると、ルンビ村落のがん患者と死者の数は増加傾向にあり、若年化も進んでいる。40歳代でがんを発症する人が多く、中には30歳代の人もいるという。