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北中部ハティン省博物館とベトナム考古学院、ハノイ国家大学人文社会科学大学はこのほど、同省タックハー郡タックダイ村で考古学調査を行い、新石器時代(約5000~6000年前)の多数の遺物及び貝層を発見した。
考古学者らは同村で試掘調査を行い、ホアビン文化の特徴を残す2層の文化層を確認した。第1層には、工具としての石器や石製装身具、土器片などが含まれていた。土器は回転台を用いて製作された粗製品で、縄蓆(じょうせき)文や櫛歯文、刻線文が施されている。
第2層はおびただしい量の白い貝殻が厚く体積した貝層で、地表面からの深さは約2m。この層には貝殻のほか炭化物や魚骨、動物骨、石器、土器片なども含まれていた。このほか、地表面ではホアビン文化の遺物に特徴的な、丸い凹みを伴う石器が確認された。
今回、同省で新石器時代の遺物と貝層が発見されたことより、同時代の遺跡分布に新たな知見を加えると共に、同省博物館の展示及び遺跡分布地図の作成に大きく貢献することとなった。
なお、ホアビン文化は東南アジア各地に分布する中石器または新石器時代初期の文化。1920年代にフランス人考古学者が西北部ホアビン省の洞窟・岩陰遺跡で発見した石器から命名された。ホアビン文化の遺跡からは主に打製石器(一部磨製石器も含む)が多く出土する。