国会常務委員会はこのほど、メコンデルタ地方における気候変動対策に関する政策・法律実施状況調査結果を報告した。調査は国会科学技術環境委員会が中心になって行われた。
報告によると、ベトナムは気候変動で被害を受けやすい世界の5か国に含まれる。過去20年間にベトナムは毎年、自然災害により国内総生産(GDP)の約1.5%の損害を被ってきた。ベトナムはまだ、温室効果ガスの大排出国ではないが、排出量は日増しに増え、特にエネルギー分野で顕著に増加している。
また、過去50年間で平均気温が0.5度上昇、海水面が20cm余り上昇し、台風や洪水が極端化し、荒地化・砂漠化している面積も拡大している。このまま何も対策を講じなければ、2030年にはメコンデルタ地方の面積の45%が塩分濃度の上昇や洪水・浸水などの影響を受け、農業被害額は170億USD(約1兆8300億円)に達すると予想されている。
報告は「気候変動と海水面上昇は、各地方に様々な異なる被害をもたらす」と指摘。気候変動対策を毎年の経済社会発展決議に盛り込むことや、気候変動対策関連の法規整備を進めるよう国会に提案している。