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現代社会の発展に伴い、南中部高原地方ダクラク省に住むエデ族の伝統的な長屋(ロングハウス)が姿を消しつつあり、危機的状況に追い込まれている。長屋は同地方に住む少数民族の特徴的かつ伝統的な建築として知られている。長屋は高床式で、木材や竹などを用いて築かれており、中は広く数十人が居住することができる。
同省文化スポーツ観光局によると、省内の長屋の数は2012年に比べて▲600軒減少し、2000軒程度に留まっている。同省のクークイン郡やクロンパク郡、クロンブク郡、エアカル郡にある集落の多くでは、既にこの伝統的な長屋は姿を消してしまった。また、残存するものも、その建築様式は昔と比べて大きく変化しているという。
長屋が姿を消しつつある理由として、農村都市化に伴い木材の供給が不足し、原材料の価格が高騰しているため、伝統的な長屋に代わってベト族(キン族)の現代的な住宅に切り替える傾向にあることが挙げられる。木材を用いた伝統的な長屋の建築には、現代的な住宅の建築の1.5倍以上にも上る費用がかかる。
同地方の文化を研究する専門家は、エデ族の伝統である母系制度を象徴する長屋が姿を消しつつある状況を危惧しており、ダクラク省は少数民族の文化的価値の保全に向けた対策を早急に打ち出す必要があるとコメントしている。