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ベトナムでは「スオンサム(suong sam)」、タイやラオスでは「ヤーナーン」と呼ばれている植物がある。飲み物や緑色のゼリー「スオンサオ」の原料として使われている。「おいしくて栄養がある」と思われているが、原料の加工工程を見れば食欲が失せてしまうに違いない。
ホーチミン市5区のアンズオンブオン通りやチャンフー通りの路地が「加工工場」だ。ある「工場」で様子を観察すると、路上に置かれたプラスチック製の大きなバケツにスオンサムを入れて女性が素足で踏みつけている。水を入れてジューサーにかけ、何かの化学物質を入れてかき回してから別の容器に移し替えて路上で乾燥させる。すぐ近くをバイクが走り抜けるが、カバーのようなものはない。
化学物質は5区にある化学薬品を扱うキムビエン市場で購入した中国製品で、商標がなく品名も分からない。これを使うとスオンサムが早く固まるという。食品安全衛生証明書について尋ねると、「今まで何も問題は起きていない」とはねつけられた。
箱詰めされたスオンサムは、ホーチミン市内の各市場で売られており、1区のタイビン市場や5区のアンドン市場など有名な市場にも出荷されている。