(C)Tien Phong,Phan Duong、チュオンさん |
紅河デルタ地方ビンフック省ビントゥオン郡チャンフン村には、20年以上古陶器を集めている農民がいる。ちょっと変わっているのは、「陳列する棚を買う金がない」という理由で8000枚以上の古陶器を家中の壁に貼り付けていることだ。30日付ティエンフォン紙(電子版)が報じた。
グエン・バン・チュオンさんは現在52歳。カンボジアでの戦争から復員した後、1986年から塗装業で生計を立てた。あちこちに出かけて仕事をするうち、古陶器を集めている人に多く接する機会があり、その時に自分の収集魂に火がついたという。
1989年には結婚して子供もできた。経済的に苦しい生活を送りながらも、塗装の仕事や農作業で稼いだお金のほとんどを古陶器に注ぎ込んだ。家族からは強く反対され、周囲の人からも「頭がおかしい」と陰口を叩かれたが、それでも止めなかった。
古陶器を集めたはいいが小さな家には置き場所もない。そこで壁にセメントで貼り付けることを思いついた。夕食後に毎晩こつこつと作業して15年かかったという。チュオンさんは「子供達が皆成長したので生活が少しは楽になりました。今も昼は古陶器を探しに行き、夜は壁に貼り付けることを続けています」と語った。