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この十年ほどの間にすっかり姿を消してしまった商売がいくつかある。例えば、ガスライターや靴の修理、鶏やアヒルの羽毛を買い集めて売る商売などだ。VNエクスプレスが報じた。
50年以上前から廃品回収を生業にして、7人の子供を育てたホーチミン市在住のラインさん(67歳)は、90年代には鶏やアヒルの羽毛を集めて売る商売もしていたという。あちこちの路地をまわって民家から羽毛を買い集め、業者に売るのだ。当時、羽毛は日本へ輸出する布織物の材料として非常に高く売れた。しかし、最近は布の原材料も安い輸入品が増え、羽毛の需要が低下した。
また、昔はどこの家でも生きた鶏やアヒルを買って帰り、自分で羽を抜いたものだが、今ではほとんどの人は市場で処理してもらうか、すでに処理されたものを買う。さらに、現在は多くの市場で生きた家禽類の販売が禁じられているため、羽毛を買い集めることもできなくなってしまった。
ホーチミン市タンビン区の路地で店を開くリンさん(36歳)は、約18年間、ライターの修理やガスの補充などを生業としてきた。10年ほど前まではガスライターにガスを補充して使い続ける人が多く、当時リンさんは、この商売で近所の人たちよりも多くの収入を得ていたと話す。しかし近頃は新品のライターを安く買えるようになったため、ライターの愛好家を除いて、修理やガスの補充をしに来る客はほとんどいないという。
40歳になるタムさんは、靴の修理や縫製をして12年になる。10年ほど前までは修理に来る客も多かったが、安い靴が出回るようになったことで、修理してまで同じ靴を履き続けるという人は少なくなった。さらに、無料で靴の修理を行う販売店も増えた。そのためタムさんは、靴修理のほかに、海外のカタログなどを参考に自ら靴を作って売っているが、それでも生活するには十分でないと話している。