(C)Thanh Nien, グエン・キム・チンさん 写真の拡大 |
性能面で日本製にも負けない農機具を発明、製造しているベトナム人男性がいる。南中部ビンディン省フーカット郡カットニョン村で農業を営むグエン・キム・チンさん(56歳)だ。6日付タインニエン紙(電子版)が報じた。
1990年代に地元で日本製稲刈り機が使われるようになったが、この機械は価格が高く、雨上がりの湿った稲穂を収穫できないという欠点があった。そこでチンさんはこの稲刈り機をモデルにバイク部品を使って、新型稲刈り機を開発した。この稲刈り機は人手にして40~60人相当もの効率性があり、雨の中でも稼動できるとあって、評判は上々。これまでに200機を販売している。彼のこの発明は2012年にベトナムで特許登録された。
また、彼が開発した果実の収穫もできる剪定機も南部で評判になっている。当時国内で使用されていたのは主に中国製、台湾製の外国製剪定機だったが、切りたい枝の周辺の枝を傷つけたり、収穫時に未熟な果実が混ざったりしていた。地元の農家の人たちからこの欠点を克服した剪定機の開発を頼まれたチンさんは、3年の歳月を費やして新しい剪定機を開発した。チンさんの剪定機は安いだけでなく、使い易く、丈夫で長持ちする。この剪定機もベトナムで特許を取得した。
チンさんの住むフーカット郡の特産品は落花生だ。以前、外国製の落花生収穫機を使用していたが、収穫した実が周辺に飛び散るという欠点があった。2010年にその欠点を克服した効率の良い日本製の機械の売り込みがあったが、値段が10億ドン(約480万円)もして、一般の農家にはとても手が出なかった。そこでチンさんはまた開発に熱中し、2012年中旬に1時間あたり1tの収穫力を持つ機械の製造に成功した。現在、地元だけではなく南中部高原地方ダクノン省、ダクラク省、メコンデルタ地方などからの注文が殺到している。
チンさんは、「農機具の開発は趣味としてやっているのですが、死ぬまで続けたいと思います。農家の人たちは学校で勉強する機会があまりないので、農業で金持ちになれるよう手助けしたいんですよ」と語り、今後も開発に取り組むつもりだ語った。
※最終更新:2013年5月11日21:05JST