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英国文化振興会がホーチミン市で15日に開催した高齢者(60歳以上)のための政策・法律に関するセミナーで、ベトナムの高齢化が急速に進んでいる状況が明らかにされた。15日付サイゴンタイムズ紙(電子版)が報じた。
このセミナーに参加した中央老年内科病院のファム・タン院長によると、ベトナムでは1979年から1999年の20年間で高齢者人口が10年毎に約100万人ずつ増加したが、直近では2009年から2011年の2年間だけで120万人も増加しており、現在の高齢者人口は約900万人(人口の約10%)と推定されている。また、高齢者1人を支える生産年齢人口は現在11人となっているが、2030年から2050年には高齢者1人に対して3人になる見通しだという。
高齢化は加速傾向にあるが、ベトナムにおける高齢者向け医療サービスや社会保障制度は整っていない。多くの国では、2000床規模の病院を設立するための条件として総病床数の中の4分の1を高齢者向けとしなければならないなどの規定があるが、ベトナムでは、老年内科を設置する病院は極めて少なく、首都のハノイ市医科大学においても老年内科は設置されていない。
また、過去に混乱の時代があったため、年齢を証明する書類がなく政府の手当てを受けられない80歳以上の高齢者が高齢者全体の5%を占めている。バラック住宅に住む高齢者数も5万4000人以上に上るという。
※最終更新:2013年3月21日10:45JST