15日付ラオドン紙電子版によると、メコンデルタ地方ロンアン省市場管理支局職員の解雇を巡って、同省商工局長と副局長(市場管理支局長を兼務)がバトルを繰り広げる展開になっているという。
解雇されたのは、市場管理支局でモーターボート操縦士として無期限の労働契約を結んでいたグエン・バン・クンさん(50歳)。今年3月に「組織再編で割り当てる仕事がなくなったため」との理由で突然解雇を言い渡された。クンさんは1995年から現在の仕事をしているが、これまで処分を受けたことはなく、密輸防止に積極的な職員として知られている。クンさんは商工局に対し、解雇不服の申し立てを行った。
商工局査察部が、この解雇は労働法第36条の規定に反する労働契約の解除に当たるとの結論を出したため、ダン・バン・ロップ商工局長は今年9月、クンさんの労働契約解除決定を破棄する決定を行い、市場管理支局にクンさんの合法的な権利を回復するよう指示した。
この決定に従って、クンさんは再び同支局で働けるようになったが、この3か月間仕事は一切割り振られなかった。クンさんは商工局幹部に現状を報告、モーターボートの操縦以外にもできる仕事はあると訴えた。ロンアン省の共産党委員会も、クンさんの違法な解雇の責任を明らかにするよう求めた。
しかし誰も責任を取らないばかりか、最近になってグエン・バン・ミン市場管理支局長は、クンさんの労働契約解除を認めるよう求める文書を商工局に提出した。一方的な労働契約の解除ができる場合は労働法で規定されている。だがミン支局長は、どの条文に基づいて契約解除を求めるのかを明らかにしていない。