東南部ビントゥアン省ドクリン郡メープー村では2007年1月から2009年7月までの間に59人もの村人ががんにかかり、このうち41人が死亡している。同村で特にがんの発症数が多いのは隣り合った第5地区と第8地区で、合計30人が発症し、このうち18人がすでに亡くなっている。死者の大半は40~60歳で、死因は肝臓がん、胃がん、大腸がん、じん臓がんなど。
第5地区ではすべての住民が地表から3~4メートルの深さの井戸水を飲用や生活用に使用しているが、ろ過技術が普及したのはこの10年ほどで、それまでは汚い水をそのまま口にしていたという。住民らは、「ろ過した後の水でも不快なにおいがする」、「井戸水で白い服を洗うと数回で赤くなってしまう」と話している。原因はまだ分かっていないが、ベトナム戦争中に散布された枯葉剤が地下水に溶けているのではないかと疑う声も上がっている。
メープー村人民委員会のトー・フィエウ副主席によると、省の人民委員会が同村での浄水施設の建設を計画しているが具体的な着工時期はまだ分かっていないという。