南中部クアンガイ省ズンクアット経済区管理委員会は4月25日、同経済区内の台湾系グアンリアンスチール(広連鋼鉄)社が住民らによる業務妨害行為への介入を求める文書を同省人民委員会に提出したことを明らかにした。
グアンリアンスチールは同経済区内で製鉄所建設案件を実施しているが、昨年12月以降住民らが事務所に通じる道路を封鎖しているため、社員が出社できず同案件の進度に遅れが出ているという。同経済区管理委員会は、住民らが妨害行為に出ている理由について、同社の工場建設計画に伴って地元住民に支払われた立ち退き補償額に大きな格差があったためと説明している。用地収用が2004年から2008年にわたって行われたため、1平米当たりの補償額に5000ドン(約28円)から9万8000ドン(約540円)までの開きが生じた。当局の立ち退き要求に早期に応じた住民らはこれを不公平だとして、自分たちの権利を要求するため妨害行為に出ているという。
同社の製鉄所建設案件は総投資額30億米ドル(約2900億円)。面積230ヘクタールの土地を収用するため約1000世帯が立ち退き対象になっていた。