中部高原地方ラムドン省ダラット市では、市内のダラットゴルフ場から飛んでくるゴルフボールによる被害が立て続けに発生している。同ゴルフ場は主要道路沿いに位置しており、付近にはダラット大学をはじめ研修センターや高校などが集中している。住民らによると、ゴルフボールは毎日のようにゴルフ場外に飛び出しており、特に週末になると数十個のゴルフボールを回収できるほどだという。
最近では、路上にいた51歳の女性のこめかみにゴルフボールが当たるという事故があった。幸い直撃ではなくバウンドしたボールだったためけがは免れた。またゴルフ場付近の食堂では、ボールが店内の人や物に当たり、ガラスなどを破損することは珍しいことではない。こうした場合は飛んできたボールを回収し、直ちにゴルフ場に報告すると賠償してもらえるが、不在中に破損するなどして発見が半日でも遅れると、「遅すぎる」という理由で賠償されない場合もあるという。さらに学校の敷地内にボールが飛んでくるのも日常茶飯事になっている。
ダラットゴルフ場を経営するDRI社のファム・タイン・チュン社長は、「ゴルフ場周囲のフェンスは高さ2メートルしかなく、また周囲に植えられている木も高さ5メートルと低いため安全を確保できていない」とゴルフ場側の不備を認めており、「人が頻繁に往来する場所やボールが外に出やすい場所には安全ネットを緊急に設置する」と対策を取る姿勢を示している。