ハノイ市タインスアン区警察は6日、同区内の住み込み先のフォー(米粉うどん)店で14年にわたって虐待を受けていたグエン・ティ・ビンさん(21歳)という女性を保護した。
ビンさんは、14年前の1993年に母親と一緒にハノイの隣のビンフック省から出稼ぎに来て、チュー・ミン・ドクとチン・ハイン・フオンという夫婦の下で働き始めた。最初は子守りや洗濯をしていたビンさんだったが、約1年後に母親が1人で故郷に帰ってしまって以来、夫婦が経営するフォー店の仕事も手伝うようになり、日々の生活は多忙を極めた。しかし、仕事の厳しさ以上にビンさんを苦しめたのは雇い主夫婦から日常的に受けていた暴力だった。夫婦はささいなことで腹を立てては、ビンさんの身体を血が出るまでペンチで挟んだり、ビンさんを裸にしてむちで叩いたり、熱湯を浴びせたりしていたという。さらに、ビンさんは14年の間一度も給料を受け取ったことはなく、里帰りすら許されていなかった。
このようなビンさんの境遇を見かねた隣人のキム・ビンさん(70歳)は、10月19日にバイクタクシーを用意して親戚の家に連れて行きビンさんをかくまった。それが今回の保護につながった。ビンさんの全身には無数の傷跡があり、警察はビンさんと雇い主夫婦の双方から事情聴取を行なって捜査する予定だ。
<続報>ハノイ市タインスアン区警察は7日、グエン・ティ・ビンさん(21歳)を14年間にわたって虐待していた同区在住のチュー・ミン・ドク(44歳)とチン・ハイン・フオン(45歳)の夫婦を緊急逮捕した。