9月末にメコンデルタ地方ビンロン省で起きたカントー橋の橋げた崩落事故から約1カ月が経過したが、この1週間ほどの間、建設作業員として雇って欲しいとこの現場を訪れる人が後を立たず問題になっている。
崩落した橋の建設を請け負っている共同企業体TKNの従業員Kさんは23日午後、省内のタムビン郡から来たグループに「事故の後、建設現場では人手が不足しているため15万ドン(約1100円)という破格の日給と1000~2000万ドン(約7~14万円)の前払い金が用意されていると聞いてやって来た。雇って欲しい」と言われて面食らった。なぜなら、実際には工事復旧の目途もまだ立っておらず、前から働いていた人たちも職にあぶれて待機している状態だったからだ。
ところが、翌24日以降も同様のうわさを信じた人たちが続々と集まり出し、中には好条件にひかれてホーチミン市での職を捨ててやって来た人が、現実に直面してやむを得ず前よりも安い賃金で別の仕事に就くことを余儀なくされるといった悲劇も起こっている。
どうしてこのような根も葉もないうわさが広がったのかは不明だが、訪れる人がすべて別の郡や省の出身であることから、現場までの長距離運賃を狙ったバイクタクシーが意図的にうわさを広めたのではないかという説もささやかれている。