ハノイ：目の前で発生のタクシー強盗事件を見て見ぬふり、警察官を懲戒処分 [三面]

　ハノイ市警察は17日午後、強盗を捕まえようと格闘する市民が目の前にいたにもかかわらず手を貸さなかったとして、同市タインオアイ郡クケー村(xa Cu Khe, huyen Thanh Oai)警察に勤務するグエン・バン・ラム大尉を懲戒処分とした。

　地元紙によると、16日の午後16時20分ごろ、タインオアイ郡のタインハー都市区内シエンコ5通りで、タクシーを狙った強盗事件が発生。刃物を持った男が運転手を刺して金品を奪い逃走しようとした。

　運転手は胸を刺されながらも勇敢に反撃して強盗犯を足止め。その後、地元住民と駆け付けた警察が犯人を取り押さえた。

　同日夜、この様子を撮影した約1分30秒の動画がインターネット上に投稿された。動画には血まみれになった運転手が「助けて！」と叫びながら犯人ともみ合う姿が映し出されていた。周辺には大勢の人がいたが、助けに入ったのは男性1人だけで、他は遠巻きに立ってスマートフォンで撮影していた。

　この中には携帯電話を触っている警察官らしき男性の姿もあった。撮影者は「この男性は警察のくせに、電話をかけているだけで助けに入らなかった」とコメント。その後、警察は動画が16日に発生したタクシー強盗事件を撮影したものと確認し、動画に映った警察官をグエン・バン・ラム大尉と特定した。

　この事件では、ダン・ファム・サウ容疑者(男・51歳、北中部地方タインホア省在住)が強盗殺人未遂で逮捕された。同容疑者は、タインホア省警察から殺人容疑で指名手配を受けていた。

　ハノイ市警は17日午後、刃物を持った犯人に立ち向かって逮捕に貢献した勇敢な一般市民の男性に表彰状を贈った。一方、警察官としての責任を果たさなかったグエン・バン・ラム大尉を職務怠慢で懲戒処分とした。

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