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人材紹介のJACリクルートメントはこのほど、2013年の東南アジアにおける日本企業の幹部人材現地採用に関する調査結果を発表した。
日本経済の低成長や新興国の成長を受けて、日本企業のASEAN進出が拡大している。このような中、同社では東南アジア諸国の日本企業現地法人を対象とした幹部人材の現地採用状況を調査した。今年はベトナムにも調査範囲を拡大し、昨年の調査では設けなかった具体的な給与額についても調査した。
調査概要
調査期間:2013年9月20日~10月4日
調査対象:シンガポール、マレーシア、タイ、インドネシア、ベトナムの日本企業現地法人
調査方法:書面によるアンケート(Web上で実施)および面会による聞き取り調査
回答企業:アンケート回答252社(有効回答252社)
調査時点で管理職以上の採用活動を行っていた企業は全体の19.0%、「直近1年以内に採用した」企業と「今後具体的な計画がある」と回答した企業は合わせて39.7%で、国別でも概ね40%前後で均衡していた。また、恒常的に管理職採用を行っていると読み取れる企業も全体の約14%あった。
採用活動については、「過去(1年以上前)」、「過去(1年以内)」と「現在」を比較すると「非常に苦戦」、「どちらかというと苦戦」と回答する企業が増えており、「現在」は約70%の企業が採用に苦戦していると答えている。苦戦度を国別で見てみると、最も苦戦しているのはベトナムで、「非常に苦戦」、「どちらかというと苦戦」の合計が90.0%に上った。以下、マレーシア(73.7%)、タイ(68.8%)、インドネシア(68.3%)。シンガポール(58.3%)と続いた。
採用がうまくいかない理由については、「候補者の質に不足感がある」が群を抜いて多く、これは調査対象国で共通だった。また、タイでは「候補者の質」に次ぐ2番目の原因として「充分な数の候補者が集まらない」との回答があがった。マレーシアとインドネシアでは「給与条件が折り合わない」ケースが多かった。
採用しているポストについては、殆どの回答が「マネージャークラス」に集中した。職種的には「営業/マーケティング系マネージャー」が47社と最も多く、次いで「管理系(人事総務)マネージャー」(45社)、「管理系(経理財務)マネージャー」(41社)と続いた。
今後の採用に影響を与える外部環境については、全体の42.9%が「幹部人材採用需要が更に高まること」と回答している。また、「国内の人材育成が進まず優秀人材の絶対数が増えないこと」を危惧する企業が全体の41.3%あった。特にベトナムでは半数の企業がこれを危惧していた。調査に加わったJACリクルートメントベトナム(本社:ホーチミン市)の加藤将司MDは、「当社に寄せられる求人の中でも、ベトナム人の管理職人材を採用できない企業が、やむを得ず日本人を採用するケースは多い」と語った。
ベトナムの給与相場について見てみると、マネージャーの決定給与は1500ドル(約15万円)前後。またGMクラス以上の求人では2000ドル(約20万円)以上の給与条件である場合が多い。ベトナムでは、採用市場の相場が既存マネージャーの給与水準を上回っており、既存マネージャーと同等の人材を外部から採用しようとした場合、既存マネージャーよりも高い給与を支払う必要があることに加え、常に既存マネージャーが他社から引き抜かれる脅威にさらされている。
[2013年11月29日ベトジョーニュースリリースU]
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