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[エンタメ]

在日ベトナム人歌手、「手紙~拝啓 十五の君へ~」をベトナム語でカバー

2016/08/26 06:00 JST更新

(C) ハイチュウ
(C) ハイチュウ
 在日ベトナム人歌手のハイチュウ(Hải Triều)さんがこのほど、日本の女性シンガーソングライターのアンジェラ・アキさんによる「手紙~拝啓 十五の君へ~」をベトナム語でカバーし、ハイチュウさん自らも出演するミュージックビデオ(MV)を発表した。

 「手紙~拝啓 十五の君へ~」は、アンジェラ・アキさんが2008年に第75回NHK全国学校音楽コンクール中学生の部の課題曲として書き下ろした「手紙」を自身の歌唱用にアレンジしたもので、同年9月に8枚目のシングルとしてリリースした。15歳の自分が未来の自分に宛てて書いた手紙がテーマで、日本では合唱曲としても広く歌われている。

 ハイチュウさんが歌うベトナム語バージョンのタイトルは、「Lá thư cho tuổi 15(ラートゥーチョートゥオイムオイラム=「15歳への手紙」)」。ハイチュウさんは、オリジナルの歌詞の意味をほぼそのまま保ちつつ、ベトナム人の価値観により近いベトナム語に翻訳したという。

 ハイチュウさんは、「手紙~拝啓 十五の君へ~」をベトナム語に翻訳して歌った理由について、「1つ目の理由は、この曲の中に自分自身の姿を見つけたからです。私は小さい頃から内向的で、いじめられたこともあります。自分に自信がなく、大人と話すことも少なかったので、いつも将来に不安を感じていました」と話す。

 「2つ目の理由は、ベトナムの中高生向けの曲というと、友情や先生への愛情、愛校心、夏の終わり、中高生時代の後悔などに関するものばかりで、この年頃ならではの思いや不安などを歌った曲がなかなかないからです。この曲の歌詞をベトナム語に訳すことで、ベトナムの中高生に共感してもらい、ベトナムの音楽に新たな風を吹き込みたいのです」。



 MVの舞台は、北中部地方トゥアティエン・フエ省フエ市にある国立高等学校で、阮(グエン)朝(1802~1945年)時代の1896年に創立された名門校、クオックホック。約40人の在校生らが撮影に参加した。女子生徒らが着る白いアオザイと、ホウオウボク(Hoa phượng)の赤い花が織り成す美しいシーンもMVの見所だ。ハイチュウさん自身も、母校に帰って15歳の頃の自分を懐かしむ卒業生を演じている。

 ハイチュウさんは、「私が日本の曲をベトナム語に、またベトナム語の曲を日本語に訳して歌うのは、ベトナム人と日本人を音楽を通じて繋げるためです。今、多くの日本語学校などで、私が日本語に訳したベトナムの名曲『母の日記(Nhật Ký Của Mẹ=ニャッキークアメ)』、またベトナム語に訳した日本の名曲『花は咲く』が教材として使われています」と語る。

 近く発表するアルバムには、「母の日記」の日本語バージョンのほか、郷ひろみの「お嫁サンバ」ベトナム語バージョンや、ティエン・ティエン(Tiên Tiên)の「Say you do」とボー・ティエン・タイン(Võ Thiện Thanh)の「Ước gì(ウオックジー=「希望」)」の日本語バージョンも収録する。

 ハイチュウさんは今後、日本人の友人と共に、両国の言語や文化に興味を持つベトナム人と日本人向けにユーチューブ(Youtube)でチャンネルを開設する計画だという。同チャンネルを通じて、日本語とベトナム語を教えながら、両国の文化を紹介し、情報を提供する。ハイチュウさんは、「私たちのチャンネルを観て、日本人とベトナム人が互いに関心を持ち、交流する機会を作ることができれば」と思いを語ってくれた。

 ハイチュウさんの活動の様子は、フェイスブック(Facebook)ページ「Hai Trieu Music」に記されている。 

[2016年8月26日 ベトジョーニュース A]
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