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米国現地時間12日に米国ロサンゼルスのドルビー・シアターで第95回アカデミー賞の授賞式が開催され、米国の映画「エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス」に出演したベトナム系米国人俳優のキー・ホイ・クァンが、助演男優賞を受賞した。
キー・ホイ・クァンがオスカーにノミネートされたのは今回が初めて。キー・ホイ・クァンは授賞式で涙を流し、「私の母は今年84歳です。母は自宅で授賞式を観ています。お母さん、お母さんのためにオスカーを受賞したよ。私の旅はボートから始まりましたが、今こうしてハリウッドの大舞台に立っています。こんなことは映画の中だけの出来事だと人々は言うでしょう。でも、これはまさに私のアメリカンドリームです」とスピーチし、母親や弟、そして、いつも「いつかあなたの時代が来る」と励ましてくれたという妻に、心からの感謝を述べた。
キー・ホイ・クァンはジョナサン・キー・クァンの名でも知られ、俳優とスタントコーディネーターとして活動している。1971年に中国系ベトナム人としてサイゴン(現在のホーチミン市)に生まれ、1979年に一家で米国に移住した。
子役として「インディ・ジョーンズ/魔宮の伝説」(1984年)や「グーニーズ」(1985年)などのハリウッド映画に出演。1987年公開の邦画「パッセンジャー 過ぎ去りし日々」にも出演し、日本でも人気を集めた。その後は表舞台に出る機会が減り、映画制作に従事した。「エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス」への出演は、彼にとって俳優としての本格的なカムバックとなった。
これに先立つ1月、キー・ホイ・クァンは第80回ゴールデングローブ賞の映画部門でも助演男優賞を受賞している。
「エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス」はダニエル・クワンとダニエル・シャイナートが監督・脚本を手掛けた2022年公開(日本では2023年3月公開)のSF映画で、ミシェール・ヨーが主演を務めている。
ミシェール・ヨーは今回のアカデミー賞で主演女優賞を受賞。アジア系の俳優として男女問わず初めてオスカーの主演賞を受賞した。ミシェール・ヨーは、第80回ゴールデングローブ賞でも映画部門の主演女優賞を受賞している。
なお、「エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス」は今回のアカデミー賞で作品賞、主演女優賞、助演男優賞、助演女優賞、監督賞、脚本賞、編集賞を総なめにした。