地場企業が設計・建造する初の国際クルーズ船、27年運航へ [経済]

　メコン川クルーズ観光で豊富な経験を有する地場フォーカストラベルグループ(Focus Travel Group)は19日、ホーチミン市7区タントゥアンドン街区(phuong Tan Thuan Dong)のSSIC造船所で、総額約400万USD(約6億円)のクルーズ船「メコンラバー(Mekong Lover)号」の建造を進める協力協定を観光業界で活動する4社と締結した。

　同グループによると、ベトナム企業が設計から建造、運航までのすべてを手掛けるクルーズ船はこれが初めてで、観光船の造船におけるベトナムの主体性を示すだけでなく、地域の同業界における地位向上にも貢献するものとなる。

　「メコンラバー」は、単なるクルーズ船ではなく、リゾート、アート鑑賞、高級ウェルネスサービスを楽しむことができるものとなる。船のデザインは、インドシナ建築からインスピレーションを得て、ハノイ市やホーチミン市、カンボジアのプノンペンの古い邸宅を思い起こさせる繊細な装飾を施す。

　船内は、豪華キャビン32室、インフィニティプール、ベトナムやカンボジアなど地域の伝統芸能を楽しめるスペースが設けられる。運航開始は2027年の予定だ。

　これまで、メコン川を運航する国際クルーズ船は主にカンボジアを拠点とし、ベトナムは通過地点となることが多かったが、「メコンラバー」の登場により、ベトナムでの滞在時間が増え、観光客が南部メコンデルタ地方の魅力をより深く堪能できる機会が増すと期待される。

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