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ハノイやホーチミンのような大都市に住んでいると、大気汚染は避けて通れない問題です。ホコリ、煙、排気ガス・・・。往来が激しい道路や工事現場の側に住んでいなくても、有害物質にさらされ、鼻炎、咳、眼の炎症などに悩まされる人が多くなっています。
ある実験で、自分の住む環境がどれだけ大気汚染にさらされているかを簡単に調べることができます。コピー用紙を1枚、自宅の棚の上に触れずに放置します。4~5日間、毎日紙の写真を撮ると、日に日にチリやホコリが積もっていく様子がよく分かります。
チリ | どこの家でもあるような普通のホコリだけではない。工事現場から出るチリには、セメントや重金属類、合成繊維、おがくず、さらには、肺がんの原因となることが知られているアスベストや慢性肺疾患の原因となるケイ素に至るまで、実に多くの種類の化学物質が含まれている。 |
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排気ガス | 工事現場の中や周辺の自動車、トラック、ブルドーザー、発電機、その他の石油を燃料とする機械類の排気ガスは、わたしたちが吸い込む空気を著しく汚染する。 |
ラドン | 放射性のガスで、土壌から放出される。工事現場では、大気中に放出されるので、そのレベルが高くなる傾向にある。ラドンは、喫煙に次いで肺がんの代表的な原因の一つ。 |
アスペルギルス | 真菌類(カビ)の一種で、土壌中のどこにでもあるもの。工事や、建物の改装、取り壊しによって大気中に容易に拡散し、近隣住民に呼吸器系の問題や慢性的なアレルギー症状を引き起こす可能性がある。 |
ネズミ・害虫 | 工事現場では、ネズミやゴキブリなどの発生が助長される。これらの有害生物は、外皮を撒き散らすことがあり、アレルギーや喘息の引き金になる。 |
化学物質 | 工事現場から出る化学物質や重金属類は、近隣の土壌や用水に吸収され、さらなる汚染や健康被害を引き起こす可能性がある。また、化学物質やチリ、ホコリは、空気により伝播され、肌や眼のかゆみ、皮膚炎(肌の炎症)、眼の感染症(麦粒腫、結膜炎)の原因にもなる。 |
大気汚染から子どもを守る7か条 |
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1. 車の往来が激しい道路や工事現場の近くに住んでいる場合、 なるべく窓を開けない ようにする。 |
2. エアコンのフィルターを頻繁に掃除 する (最低でも1ヶ月に一度)。フィルターに ホコリやカビ、有害物質が溜まり、それがエアコンによって室内に拡散され、カー ペットやカーテン、枕、ぬいぐるみなどに付着する。 |
3. HEPAフィルター(高性能エアフィルター)搭載の、 性能の高い掃除機を使って毎日 掃除 をする。 |
4. ほうきを使わない 。床を掃かない。ホコリを巻き散らすことになる。 |
5. 子供部屋には ホコリがたまりやすい布製品 (カーペット、厚手のカーテン、ぬいぐる み、クッション等) は置かない ようにする。 |
6. ベッドのシーツやマットレスなどの 寝具は頻繁に洗って干す 。 |
7. 工事現場や交通量の多い通りの近くに住んでいる場合や家の周辺がホコリっぽい 場合は、外出の際に必ず N95 などの 特殊マスクを使用 する。微量な粒子や化学 物質、ガスには効果がないが、大きな粒子のホコリにさらされることを防ぐ。 |
<著者紹介> ジョナサン・ハレヴィ医師 ファミリーメディカルプラクティス・ホーチミン市 小児科 小児科医として17年の経験をもつ。2005年から7年間にわたりファミリーメディカルプラクティス・ホーチミン市クリニックに勤務。その後、オーストラリアの小児科医療の最高峰、ロイヤル小児科病院(メルボルン市)小児科集中治療室に勤務し、小児科集中治療分野の経験を積み、再びファミリーメディカルプラクティスに帰任。1児の父。ベトナム語の育児本も執筆している。 ジョナサン医師の詳しい経歴は こちら |
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