[コラム]
「美容師として、父として、充実した人生を」小野佑さん/美容師
2016/05/09 09:00 JST更新
ベトナムで人材紹介を行う JellyfishHR がお届けするこのコラムでは、現地で実際に生活をしている日本人に、ベトナムでの生活、ベトナム人との仕事、日本との違いなどをインタビューしていきます。
今回のベトナム就職者談は、ホーチミンで美容師として活躍されている 小野佑(おのゆう) さんの登場です!
これまで何をするにも直感のままに行動してきた小野さん。今回のインタビューでは、美容師でありながら二児の父でもある小野さんの生き方についてお話していただきました。
美容師になったのは「カッコいい」から
―― 最初に自己紹介をよろしくお願いします。
小野: 小野佑 です。趣味はサーフィンで、今でも月2回は海に行っています。よく行く海はベトナムのダナンやブンタウ、そしてフィリピンやインドネシアですね。先日もフィリピンへ行ってきました!
―― カッコいい! 確かに少し焼けていますね! 小野さんは、どのような経緯で美容師になったのですか?
小野: 「カッコいい」と思ったからです。 今とは違って、私が高校を卒業した頃はアシスタントとしてサロンで働くことができたので、専門学校には進まずに働きました。
―― アシスタントから美容師(スタイリスト)になろうと思ったのはなぜですか?
小野: 同期がいたから、お客様がいたから、周りにいる先輩や、後輩や、親にも一人前として認めてもらいたかったから かな。とにかく周りの方々に支えられていた気がします。だから、キッカケというものはないですね。
1年間サロンで働くと専門学校に通うことができるので、19歳の時から通信制の専門学校に通いました。通信制は、学生のいない夏休みの1か月間学校に通って3年で卒業しました。卒業しないと美容師になる試験を受けることができないので、学科・技術共に頑張って勉強しましたね。
―― 通信でも学校へ行くのですね! ちなみに、失礼ですがこの試験は難しいのですか?
小野: 学校へ行って授業も質問もできますよ。私は幸い1回で合格できましたが、国家試験なので簡単とは言えないです。専門学校へ2年通っている人であれば9割合格するようですが、私のように通信に通っている場合は落ちる人も少なくないですね。
―― 人のスタイルを一瞬で決めるお仕事ですし、試験は簡単ではないのですね。 合格していきなりベトナムへ来られたのですか?
小野: いいえ、
最初は日本の美容室で働きました。 最初のお客様のことは今でも印象に残っていますね。
ベトナムには美容歴7年目の時に来て、最初はベトナムにある日系美容室で働いていました。
技術があれば言葉がなくても通用する
―― 最初からご自分のお店を持っていたというわけではないのですね。 ベトナムへいらっしゃった経緯をぜひ聞かせてください!
小野: 実は、元々海外に対して興味がありました。ラスベガスを訪れた際に、アメリカ人がカットやブローをしているのを見て、自分にもできるんじゃないかって思ったのがきっかけです。
だって、
技術って、言葉がなくても通用するじゃないですか?
それで他の社員さんに「自分は海外に行くんだ」ってずっと話していたら、「ゆうさん、ベトナムに美容師の資格を生かせる場所があるよ!」って教えてもらったんです。
ダメだったら日本に戻ってくればいいから、せっかくなら海外で挑戦してみよう!という気持ちでベトナムに来ました。
―― では、ベトナムでない可能性もあったということですね。そこからなぜ自分のお店を持つようになったのですか?
小野: そうですね。実際に働いてみるとベトナムとはいえ、日系美容室なので時間に拘束されると強く感じました。今の奥さんと結婚を考えていたので、挑戦するなら今だな、自分のスタイルでお店を構えたいと思ったんです。
そして、27歳の頃に今のお店を立ち上げました。日本で多い考え方の「お客様が一番」というのも理解できるし、その通りだとも思うんですが、家族の時間も私にとって大切です。だから時には家族が優先になる時もあります。
美容師でありながら、家族思いのパパな自分でもいたいと思っています。
―― 小野さんの奥様、ベトナム人ですよね! 自分や家族との時間も大切ですよね。
海外生活は視野を広くする
―― では、実際に1人でお店を構えてみて、楽しいこと、辛いこと、それぞれありますか?
小野: 楽しいこと、というか嬉しいのはとにかくお客様が来てくれることです。
1人でやっているお店だからこそ、来てくれるお客様には感謝しかありません。だからこそ再来店してくれた時はとても嬉しいし、送り出すときも「ぜひまた来てください」って心から思います。
あとは・・・仕事の後のビールは最高ですね!! 疲れが取れます!!!(笑)
反対に辛いことは、日本人のお客様は駐在の方が多く、
いつかは日本に帰ってしまうことです。 何度経験しても別れは辛いですね。
ですが、何年かして「ホーチミンに遊びに来ました!またくるから頑張れ!」って会いに来てくれる方もいて、
そういう時は同じ場所で続けられて良かったなって嬉しくなります。
―― お客様がまた何年後かに自分に会いに来てくれるのは嬉しいですよね!
今でこそベトナム生活を楽しんでいらっしゃいますが、最初からベトナムにここまで慣れていたのですか?
小野: 最初の印象はバイクが多い、活気がすごいという感じですかね。
でも
実は、こんなところに住めるのかって最初はとにかく不安でした。 シャワーの水、トイレットペーパーの位置も気になるし、きらびやかな夜の光も見渡す限り怪しく見えてしまって・・・。日本の良さにすぐ気づかされました。
ですがこのまま回顧ばかりしていても意味がないと思い、何に対しても良い意味で期待しないように自分の考え方を変えました。
人に期待すると期待通りにいかなかったときにがっかりしませんか? それと同じで環境にも期待せず常に自分から行動するようにしました。そうすることで周りの方々に
心の底から「ありがとう」と言えて、楽しくベトナム生活を送ることができています。
今はベトナムのいいところをとても感じていて、「あ、ベトナムでもここ気にかけてくれるんだ。子供に優しいな。みんなおおらかでよく笑う温かい国だな。親日国家で日本人のこと好きでいてくれるな」って感じるたびに嬉しくなります。
―― わたしも始めのころは慣れずに大変でしたが、人間は適応するものですね!
それでは最後に読者の方へのメッセージをお願いします。
小野: :
特に若い人は海外に出るべきだと思います。自分も海外に来て視野やキャパシティが確実に広がって行くのを実感したので、自分の子供にも海外に出て感じてもらいたいと思うほどです。
海外に出ると生き方や働き方への考え方が変わります。生活を大事にすることと働くことを天秤にかけた時に、そのバランスを取っていくのって難しいですよね。私の場合、海外に出たことでその点について深く考え、どちらも大切にすることができるようになりました。
また、自分を変えるには「己自身を変えるか」、「環境を変えるか」だと思っています。
行きたいと思ったら、そこで一生過ごすのかなどという余計なことを考えずに、行ってみて、たくさん刺激を受ければいいと思います! そこで良いこと、悪いこと、どちらも経験するでしょう。
ですが、輝くためには悪い経験も大切です。鏡を磨くとキレイになりますよね? でもキレイになった鏡に実は無数の傷がついていることはご存知ですか? つまり、輝くために傷ついて、そのたびに磨かれていくのです。
人間もそうだと僕は思っているんです。人も同じで、悔しい、辛い、見返したいと感じながらもがいて泣いて、その感情が人を成長させてより輝かせるのだと思います。
最後に、
遊びも仕事も本気でやるべきです! 人生の主人公は自分自身なので中途半端はだめです。
自分が楽しまないと、人に元気は与えられないので、全力で息抜きもしてください!
―― 力強いメッセージをありがとうございます!
>>小野佑さんが経営するヘアサロンはこちら →
「Likes Life」
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