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[コラム]

「自分がやりたいことは自ら掴むしかない」水谷亞香里さん/カフェ経営

2016/03/07 08:55 JST更新

みなさんはベトナムについて、どういったイメージをお持ちですか?
ベトナムで人材紹介を行うJellyfishHR がお届けするこのコラムでは、現地で実際に生活をしている日本人に、ベトナムでの生活、ベトナム人との仕事、日本との違いなどをインタビューしていきます。
みなさんのタイムリーな悩みを解決するヒントになるかもしれません。

第1回のインタビューは、 新卒1年目にしてベトナムにてカフェの立ち上げを行った水谷亞香里さん(23) です。
新卒の彼女がなぜベトナムで0から事業の立ち上げを行うことになったのか。
「自分がやりたいと思ったことは自ら掴んでいくしかない」と話す彼女に迫ります!
ベトナムでの就職を考えている人はもちろんのこと、これから就職活動を控える学生も必見です。
 

新卒1年目にしてベトナムでカフェ立ち上げ

− 改めて、まず自己紹介からよろしくお願いします。
 
水谷: 新卒で エスキュービズム という創業9年目のベンチャー企業に入社し、現在ベトナムにてSNOW CAFE という日系かき氷カフェを運営している水谷亞香里です。
 
SNOW CAFEのかき氷、ふわふわでソースもフルーツもたっぷりでおいしすぎます!すっかり虜になっちゃいました(笑)
 
水谷: 実は氷からではなく液体から作る専用の機械を使っていて、かき氷というより本物の粉雪のような新触感のスイーツに近いんですよね。ベトナム人のお客さんからも「こんなかき氷食べたことない!」って言ってもらえて嬉しいです。
− かき氷好きでよく専門店にも行きますが、SNOW CAFEのかき氷が一番好きです! ベトナムで日本製の信頼ってとても高くて、ベトナム人の学生の間でも例えば美術でいい作品ができたら「日本製!」みたいな冗談もあるみたいですよ。

 

就活時に大事にしたのは、自分の存在価値の大きさ

−それにしても新卒で一人、ベトナムでカフェの立ち上げを行うなんてすごいですよね。どのような経緯で今の会社に入社したのですか?
 
水谷: つい1年前、就職活動をしていた頃は、初め大手企業を志望していました。
しかし、 実際に大手の企業を受けていく中で、会社自体が行っていることは大きいけれど自分がその中でできることって本当に一部でしかないな って感じたんです。
 
− 私も就職活動を控えていろんな方からお話を聞きますが、その言葉よく聞きます。
 
水谷: 好みは人それぞれだと思うんですが、私は自分の存在価値や裁量権が大きい方が好きなので、途中からベンチャー企業へ志望を変えました。
そんな時にこのエスキュービズムに出会い、創業9年目にして事業の幅がとても広く、自分がやりたいと思ったことを実際にさせてくれる会社だなと感じたんですよね。
そしてなにより 最終面接で話した会長に直感で惹かれ、この方と働きたいと思った のが入社の決め手になりました。
実際に入社して、会長だけでなく上司の方々も私がどんな人間でどんな事に向いているのか私以上に見抜いてくれるんですよ。
それに飲食経験も社会人としての経験もほとんどない私にこのようなチャンスをくれた会社にはとても感謝しています。

 

新卒1年目、1人でゼロからのスタート

− 自分が満足できる環境に出会えたのって何より幸せなことですよね。 でも、一人でベトナムに来て店舗オープンまでって大変なことも多かったんじゃないですか?
 
水谷: そうですね、ベトナムに来て初めは本当に全く何もない状況からのスタートでした。
自分の家探し、名義人になってくれるベトナム人探しや採用、契約書関連、ターゲットを意識した不動産決め、市場調査、メニュー開発・・・。どれも手探りの中進めていくのは、本当に骨が折れました。
もちろんオフィスもないので、 朝起きて仕事をするにも、膨大すぎて漠然としてしまったタスクの中の何から手をつけていいのかわからず、焦りや孤独だけ募っていくけれど、どうしようもなくて。
ですが、 ベトナムでのパートナーに出会え、少しずつ形になっていくと、日々前に進んでいる感じがしてワクワクしましたね。
でもそれもつかの間、オープン前は業務が莫大になり、身体的に本当にしんどい時期があったりしましたが、先月ついにオープンし、今はベトナム人のみんなと一緒により良い店舗にしていけるよう日々試行錯誤しています。
 
−SNOW CAFEのスタッフさんとの写真よく見せてもらいますが、本当にみんな仲が良さそうですよね!
 新卒でいきなり日本人以外のマネジメントもされていると思うのですが、気を付けていることは何かありますか?

 
水谷: ベトナム人って日本人よりもいろんな意味で距離が近いので、みんながSNOW CAFEをホームだと思ってもらえるように、積極的にご飯に行ったりベトナム語を覚えたりして、コミュニケーションを図っています。
一緒に働き始めて思うのが、 ベトナム人にとって日本人のクオリティのスタンダードを理解するのって本当に難しい のだなということ。日本人だと言わなくても前提としてわかることを、言語が違う中ですべて説明しないとわかってくれません。言葉が伝わっても、さらに理解までしてもらえるまでにすごく時間がかかるんです。
初めは苛立ってしまったこともあったのですが、自分だけでなく彼ら彼女らにとってもオーバーワークになってしまっていたんだなとある日気づいて、そこから1日に一つのポイントしか言わないようになりました。
「お客さんが来たら挨拶をする」、「お茶がなくなっていたら注ぐ」そんな 一つ一つを積み重ねていき、できるようになるごとにしっかりと褒めて、成長している実感をもってもらいたい なと思っています。

−異国の地でのマネジメント経験をこの歳でされている例は、なかなかないと思いますよ。
 
水谷: 規模は小さいにせよ、一つの事業を全部自分で回すことができた のは本当にいい経験でした。もちろんたくさんの方の助けがあってこそですが、経営者の視点でいろんなものが見られるようになりましたね。
そんな自分で作り上げた店舗でお客さんが「美味しい」と言って笑顔で帰って行ってくれるのが、なによりも仕事のモチベーションになっています。
 

学生時代、ベトナムインターンで感じた事

−そもそも、新卒の水谷さんが海外事業を任されるきっかけが何かあったのですか?
 
水谷: 実は、エスキュービズムに内定を頂いた後に ベトナムでインターンを行っていたんですけど、その際に持ち込み企画として自社の商品を現地に売り込むことに成功したことがあって。
 
−すごい!どのような営業を行ったんですか?
 
水谷: 自転車で一軒一軒お店を回る泥臭い営業をしました。運よく買っていただいて、「海外での営業ってこんなもんか」って感じたんですよね(笑)
その時に ベトナムって過ごしやすい国だなとも思ったんですよ。日本人とも相性がいいし、ご飯も美味しくて気候も過ごしやすい。それがあったから、今回のお話しを頂いたとき「行きます!」って即答できました。
他の国でインターンしたこともあったのですが、貧しさゆえの危険を感じる国もある中で、ベトナムは治安がとても良いと感じました。そういう意味で、 ベトナムは根本的に豊かな国だと思っています。
 

「今日よりも、きっと明日がよくなる」

−ベトナムの暮らしやすさについてはみなさん仰いますよね。
 
水谷: とは言っても、海外で生活することって不便も多いですよ(笑)
日本って売ってるものがすべてクオリティが高いじゃないですか。でもこの国ではクオリティなんてまちまちで、 総合的に見たら日本はコスパの良い国なんだと思います。
でもベトナムに居ると、満員電車に乗らなくていいし、何より街ゆく人が親切ですよね。
一度色々といっぱいいっぱいになってしまって、タクシーで訳も分からず号泣してしまった時に、運転手がすごい気遣ってくれて。もちろんベトナム語だから何言ってるかわからないんですけど(笑)。けれどその優しさがとても嬉しかったです。
 
−私も同じような経験あります。日本を離れると初め知らず知らずのうちにいろんなものが溜まっていってしまいますよね。でも、私はその経験があったからこそ自分自身と本気で向き合えるきっかけになりました。
 ベトナムで働いていて良かったなと感じることってありますか?

 
水谷: ベトナム人のすごく好きなところがあって、みんな 「今日よりもきっと明日がよくなる」って信じている んですよね。
外資がどんどん入ってきて、経済成長が著しいことももちろんですが、それもあってかみんながみんな常に前向きで明日を見ている姿勢がすごく好きです。
日本人と仕事をしている時ってどうしてもリスクを考えてしまうんですが、ベトナム人は何かを提案すると「とりあえずやろう!」ってなるんですよ。もちろんそれで大変なこともたくさんありますが、そのエネルギーが常に自分も前向きにさせてくれるので嬉しいです。
 
−では最後に、ベトナム就職を考えている方に向けて何か一言お願いします。
 
水谷: 自分が幸せになるためには、自分がやりたいと思った選択肢をいかに掴み取っていくか だと思います。
それが海外就職やベトナムでの就職であるのであれば、自分で選択した後は覚悟をもって邁進していってください!

 

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