ベトナムニュース総合情報サイトVIETJO [ベトジョー]
RSS
Login
 ようこそ ゲスト様 
VietJo ID

【第6回】デング熱~ベトナムでは1年中見られます

2015/11/04 09:40 JST配信

デング熱は、蚊に刺されることによって感染するウィルス性疾患で、昨年日本でも70年ぶりに感染が確認されました。現在、インドで猛威をふるっているほか、ベトナム保健省から今年の感染者数が前年より+27%増加しており、感染者のうち3名が死亡した、という報告も出ています。デング熱は、 ベトナムでは1年を通して見られる疾患のため、通年の予防と注意が必要です。

デング熱の症状

デング熱にかかると、 高熱、発疹、激しい頭痛、関節痛、筋肉痛 といった症状がでます。発熱などの症状は通常5~7日ほど続きます。その後、発疹を伴う2度目の発熱を見ることもあります。

重症になると デング出血熱 とよばれ、血管から水分が血管外に漏れ出す血漿(けっしょう)漏出や、血小板減少に伴う全身の出血、下血や血尿などを急激に起こすことにより、ショック状態に陥り、まれに死に至ることがあります。

感染の有無は、血液検査により20分ほどでわかります

血液検査でデング熱の感染の有無を確認するとともに、マラリヤ、インフルエンザ、レプトスピラ症、腸チフスなど、デング熱と似たような症状があらわれる病気を除外します。ファミリープラクティス院内ラボでは、20分ほどで結果が出ます。

気になる症状が出ている場合は、医療機関の受診をすすめます。

治療の基本は対症法

今のところ、 デング熱の予防ワクチンや特効薬はありません。 但し、2016年には予防ワクチンが手に入るようになる可能性はあります。

治療は、熱・痛みに対する対症療法となります。多くの場合は軽症で済み、数日間のうちに自然治癒します。嘔吐や高熱による脱水症状を避けるため、水分をたくさんとるよう心がけましょう。

鎮痛、解熱にはタラノールやパラセテモールを

痛みや熱への対処としては、解熱・鎮痛薬のアセトアミノフェン[商品名:Tylenol(タラノール)、Paracetamol(パラセタモール)]を用います。鎮痛・抗炎症薬のアスピリンやイブプロフェン[商品名:Advil(アドヴィル)、Motrin(モトリンなど)]は出血によるリスクが高くなる可能性があるため、デング熱には適しません。

重症のデング熱やデング出血熱の場合は、入院治療が必要になります。 点滴治療や電解質の補充、血圧のモニターなどの集中的な治療を行います。輸血が必要になる場合もありますが、これは大変まれなケースです。

予防の基本はとにかく蚊に刺されないこと

感染から身を守るためには、デング熱に感染している蚊に刺されないことが第一の予防策です。とはいっても、目の前の小さな蚊がデング熱にかかっているかどうか確かめようがありませんので、とにかく蚊に刺されないようにするしかありません。

夜明けや夕暮れなど蚊が活動する時間帯は外で過ごさないなど、 外で過ごす時間帯を考えて行動しましょう。 日中も絶対刺さないわけではないので、レストランなどでの食事でも、屋外の場合は蚊のことを頭に入れて、 虫除けクリームなどをカバンに入れて出かけるのもいい方法です。

長そで、長ズボン、ソックスを着用し、肌をおおいましょう。

エアコン、網戸が整ったところで生活しましょう。

殺虫剤パーメスリン(Permethrin)を蚊帳(かや)などにスプレー する方法もあります。殺虫効果がある衣類も販売されているようです。

虫除けスプレー、ローション、アームバンドなどは、ディート(DEET:ジエチルトルアミド成分)が10~30%含まれているものを使用します。 ディート10%含有の製品は、虫除け効果が2時間ほど持続します。含有量が高ければそれだけ効果の持続時間も長くなります。ベトナムでは、コンビ二ストアなどで日本ブランドのスプレーやクリームが手に入ります。

しかし、こういった化学物質は薬物なので、注意書きに従い必要量だけ使うことが大切です。子どもや生後2か月以内の乳児にはディートの使用は避け、代わりにベビーカーなどに虫除け用ネットをとりつける方法もあります。

蚊が発生しにくい環境作りも大切 です。蚊は湿って水気の多い場所を好みますから、こういった環境を家の周りに作らないのもひとつの対策です。

<著者紹介> Family Medical Practice Vietnam ブライアン・マクノール医師 (ハノイクリニック) 医療ディレクター、内科、肝臓疾患、熱帯病医学 英国シェフィールド大学医学士 カナダ医療審議会認定医 オンタリオ医師外科医大学(CPSO)認定医 カナダ・トロント小児病院協力スタッフ 英国ケンブリッジ大学疫学・生物統計学修士 英国ユニヴァーシティカレッジロンドン熱帯医学(DTM&H)修了 ケンブリッジ英国連邦学会特別研究員 英国熱帯医学会特別研究員(FRSTM) 米国マウントシナイ病院肝臓・肝炎実験ユニット臨床研究員 2006年よりハノイ・ファミリープラクティスに勤務。現在、ハノイ医療ディレクター。 内科医として40年近くの経験をもつ。専門の肝臓疾患の症状の診察、治療をはじめ、公衆衛生や企業内の健康管理に関する教育、啓蒙活動にも積極的に従事している。

<関連記事>

おすすめ蚊よけアイテム ~デング熱対策に~

著者紹介
ファミリーメディカルプラクティス
20年以上の実績を持つ、インターナショナル・クリニック。ホーチミン市、ハノイ、ダナンの3都市に、5つのクリニックを開設。

日本人医師、日本人スタッフも常駐。日本語ホットラインは救急時24時間対応。

救急医療・搬送サービスも提供。救急医療 専用番号 *9999
気になる医療の話@ベトナム
その他の記事はこちら>
© Viet-jo.com 2002-2026 All Rights Reserved. 
※VIETJOベトナムニュースは上記の各ソースと自社過去記事を参考に記事を編集・制作しています   利用規約   免責事項
新着ニュース一覧
ビングループ、EV乗り換え支援プログラムを4月末まで延長 (6:23)

 不動産開発を中核とする民間複合企業ビングループ[VIC](Vingroup)は、ガソリン車から電気自動車(EV)への乗り換えを促進する緊急支援プログラムの期間を2026年4月末まで延長すると発

世界のコーヒー産業の持続的発展へ、ハノイで同盟発足 (6:16)

 ハノイ市で3月下旬、外交使節団や国際機関、企業、専門家が参加する「国際コーヒー会議2026(International Coffee Conference 2026)」が開催された。同イベントでは、世界のコーヒー産業の持続可能な発展を目的...

衛星通信のスターリンク、26年半ばに個人向け提供開始か (5:31)

 米国の航空宇宙メーカーであるスペース・エクスプロレーション・テクノロジーズ(スペースX=SpaceX)傘下のスターリンクサービス・ベトナム(Starlink Services Vietnam)がベトナムで展開する低軌道衛星インター...

戦死した夫が妻に残した10枚の手紙、半世紀経て映画に登場 (3/29)

 北部紅河デルタ地方フンイエン省在住のダン・ティ・ソーさん(女性・75歳)は、夫が戦死する前に書いた手紙が、半世紀以上の時を経て映画のインスピレーションの源となり、かつての自分の悲しみが誇りへと変わる...

25年を代表する「ベトナムの顔」の若者10人を表彰 (5:02)

 ホーチミン共産青年同盟(青年団)中央執行委員会とベトナム若手人材支援基金はこのほど、2025年を代表するベトナムの若者10人の表彰式を行った。  「ベトナムの顔」は、◇学業、◇創造的・科学的研究、◇製造業...

カインホア省など9省の人民委主席人事、再選多数も一部で新任 (4:09)

 2026年3月末にかけて、全国の複数の省・市で2026~2031年任期の人民評議会の第1回会議が開催され、人民委員会主席をはじめとする地方政府の主要ポストの選出が行われた。今回報じられた9つの省では、現職が再選...

ベトジェットエア、デラックス運賃15%割引キャンペーン実施中 (3:35)

 国内最大手の格安航空会社ベトジェットエア[VJC](Vietjet Air)は、2026年の夏の始まりに向けて、すべての国内線および国際線のデラックスクラス運賃が最大15%割引となるキャンペー

26年3月製造業PMI、低下 改善ペース鈍化も景気拡大維持 (2:37)

 米国のS&Pグローバル(S&P Global)が発表した2026年3月のベトナム・PMI(製造業購買担当者指数)は51.2となり、前月の54.3から低下した。  好不況の分かれ目となる50を上回る水準を維持し、製造業の景況感改善...

チン首相らに軍功勲章と党員歴記念章を授与 (1日)

 トー・ラム書記長は3月30日午後、ファム・ミン・チン首相をはじめとする共産党と国家、政府の現職の指導者および元指導者らに一等軍功勲章と党員歴記念章を授与した。  受章者は以下の通り。 ◇ファム・...

T&Tグループ、アンザン省でバムコン工業団地を着工 (1日)

 地場系コングロマリット(複合企業)T&Tグループ(T&T Group)と南部メコンデルタ地方アンザン省人民委員会は3月30日、同省ミートイ街区でバムコン工業団地のインフラ開発投資プロジェクトの着工式を共催した。投資...

フエ中央病院、ベトナム初の越中ロボット手術センター設立へ (1日)

 北中部地方フエ市にあるフエ中央病院は3月30日、中国の医療用ロボットメーカーである上海マイクロポート・メドボット(Shanghai MicroPort MedBot)および運営支援を手掛けるHFMとの間で、ベトナム初となる越中ロ...

韓国LSと豪州企業が永久磁石の生産で提携、ベトナムに加工拠点 (1日)

 韓国LSグループ(LS Group)で、ベトナムを中心に事業を展開するLSエコエナジー(LS Eco Energy、旧LS電線アジア)はこのほど、オーストラリアの鉱物資源会社であるライナス・レアアース(Lynas Rare Earths)とレア...

ダナン:投資額20億USDのリエンチエウ港コンテナ埠頭が着工 (1日)

 南中部地方ダナン市人民委員会は28日、投資総額20億USD(約3200億円)超の巨大港湾となるリエンチエウ港コンテナ埠頭開発プロジェクトの着工式を開催した。同プロジェクトは、中部地方の経済発展を牽引する重要な...

ホーチミン市人民委、新たな公示地価調整係数の構築案を承認 (1日)

 ホーチミン市人民委員会は、2026年7月1日より適用される新たな公示地価調整係数(K係数)の構築プロジェクトを承認した。このプロジェクトは、科学的根拠に基づき公平性を保ちつつ、不動産市場の実際の変動をより...

2030年の外国人観光客5000万人へ、政府が新目標を設定 (1日)

 文化スポーツ観光省はこのほど、「2045年を視野に入れた2021~2030年期の観光開発計画」の調整を承認する決定第374号を公布した。同決定では、2030年に4500万~5000万人の外国人観光客を受け入れるという新たな...

©VIETJO ベトナムニュース 2002-2026 All Rights Reserved