ホーチミン市ビンチャイン郡在住のグエン・ティ・マイ・カインさん(14歳)は、父親が急死したショックから立ち直る間もなく、母親、そして母方の祖父母を、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)により相次いで失った。
(C) thanhnien |
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カインさんは両親に会う夢を見て目覚めた後、独りぼっちの自宅で涙を流した。
カインさんはわずか1か月の間に両親と祖父母を失った。3世代が共に暮らし、いつも賑やかだった家の中は今や静まり返り、残されたカインさんは観音菩薩とともに祭壇に置かれた骨壷を黙って見つめた。
カインさんの母方の伯父であるグエン・タイン・フンさん(49歳)によると、一家は3世代にわたり隣り合わせに家を建て、何十年も一緒に暮らしてきたという。
カインさんの両親が新型コロナで突然亡くなってから、隣に住んでいるフンさんの家族と一番下の叔父がカインさんに食事を差し入れ、両親に線香を手向けるよう、そして自分の身の回りのことをこなすよう声をかけて励ましている。
カインさんは同級生に比べて知的発達の遅れがあり、小学2年生を3回繰り返したものの進級できず、学校を辞めて自宅で母親の家事を手伝うようになった。
カインさん一家は、7月の初めに南部メコンデルタ地方ロンアン省に暮らす叔母のもとを家族全員で訪ねた。叔母は病気で身体が弱っており、結婚もしていなかった。
その数日後、カインさんの父親は倦怠感を訴え、ある日の早朝に倒れている父親をカインさんが発見した。カインさんは母親を呼び、2人で父親を抱き起こしたが、すでに息を引き取った後だった。
父親は倒れる前、父親の伯父と2日間一緒に過ごしていた。カインさんと母親がロンアン省からホーチミン市に戻った後、母親に新型コロナの症状が現れたため、父親の伯父も検査を受けたところ、新型コロナに感染していることが判明した。後にその伯父も亡くなった。
「警察が葬儀担当者に連絡し、その後の世話を依頼していました。父があまりにも急に死んでしまい、母はショックからなかなか抜け出せなかったので、私と母はホーチミン市に戻ることになったんです。ホーチミン市に戻った数日後、母は倦怠感と息苦しさを訴え、家族が病院に連れて行って検査を受けて初めて新型コロナに感染していることがわかりました。母は病院に行く前、私に家で自分のことをするように言いました。元気になったら帰るから、と言っていたのに、そのまま帰らぬ人となってしまいました」とカインさんはすすり泣いた。